ソロモンとアンドラス
2018/12/31 22:24

君の身体に興味がある、と言われて、ソロモンは面食らった。思わず肩を抱くようにしてアンドラスから後退り、距離をとる。「そんなに警戒しなくても取って食べようとはしてないよ」「だ、だってすごく真剣な顔だったしさ…」考える間もなく体が反応したが、要は彼の趣味とかライフワークである解剖を意味しているのだと冷静になればすぐわかった。「わ、悪いけど協力はできない」「知ってる知ってる」ふんふんと鼻唄を漏らしながら、専用のメスを左手で弄ぶ。そういえば彼の利き腕は知らないソロモンだが、きっと愛用している道具なら両手のどちらでも使えるようにしたんだろうな、と合点した。
ヴィータの解剖もしてみたいんだけどな、と呟く様は、なんだか欲しい玩具のために努力して貯金する子供のような顔だった。「…叶わないように祈っておくよ、一応…」「ええ?ひどいな」そんな遊び感覚で人間のーーー体を切って遊ばれては困る。グロテスクな想像でいくらか顔色を曇らせているソロモンにアンドラスは付け加えるように言い放った。「俺はヴィータの身体にも興味があるけど、とりわけ君の身体は気になるところだね」「理由は聞いても良いか…?」「だって、君はソロモン王だから」



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