好きな人のタイプ




「笠原これ見て」
お風呂上がりロビーでのんびりしていた郁に携帯を手渡したのは一緒にお風呂に入っていた柴崎
「なにこれ?」
柴崎の携帯画面に表示されていたのは
『あなたの好きな人のタイプ調べてみたったー』
と書かれたサイト
「これにね自分の名前をいれてボタン押すと自分の好きな人のタイプわかるんだって。まぁ、ネタみたいなものだけどやってみたら楽しいわよ?」
すでに名前の欄には『笠原郁』と入っている
「ちょ、なんでもう名前入ってるわけ!?」
「あらいいじゃない。笠原の好きな人のタイプこれでわかるわね」
「す、好きな人のタイプとか診断するものじゃないでしょ!」
「じゃあ笠原は自分の好きな人のタイプわかるの?」
「え、えぇーっと」
現在堂上に絶賛(両)片思い中の郁としては堂上そのものがタイプなんだろうけどそんなことこの純情乙女は口に出せないわよね
と思っていたらとんでもない爆弾が投下された
「す、好きになった人がタイプだもん」
「……」
一瞬柴崎の動きが完全に停止した
「あんたかわいすぎるー!」
「ぎゃあ!こんなとこで抱きつくなー!」

*******************

「さて、ひとしきり楽しんだところで診断メーカーやりましょうか」
「やるの!?」
「大丈夫よぉー、本当にちょっとしたお遊びみたいなものだから」
「うーん、分かった」
「はい送信!」
「早っ!!」
すでに名前は入っていたのでそのままボタンを押す
「なになに…『笠原郁の好きなタイプは運動神経抜群、頭のいい………』」
そこで柴崎の声が震え止まってしまう
「どうしたの柴崎」
そう聞くと無言で携帯を手渡された
「……っ!なんじゃこりゃーーー!」
「あははっ…お、お腹くるしっ」
しばらくの間ロビーでは
叫びながら顔を真っ赤にする郁と
お腹をおさえ別の意味で顔を真っ赤にする柴崎が見られたという


*******************

その頃ちょうど堂上と部屋飲みをしていた小牧は携帯の着信に気づいた
内容を読むと上戸に入りながらその場に崩れ落ちる
内容はサイトのURLと郁の診断結果
小牧は不審そうな顔をする堂上にサイトを見せた
「なんだこれ『あなたの好きな人のタイプ調べてみたったー』??」
「柴崎さんに勧められたんだよ、堂上にぜひって」
「なんで俺なんだ」
「そりゃ堂上の好きな人のタイプとか気になる人がいるでしょ?」
主に俺らの部下だけどと小牧は一人内心で呟く
「大丈夫、ほんとお遊びみたいなものだって柴崎さんも言ってるし、堂上やってみたら?はい、堂上の名前いれといたから」
「な、何を勝手に!」
「まぁまぁ、送信っと」
「おま、小牧!」
「えぇーっと診断結果は『堂上篤の好きなタイプはみんなに愛され笑顔が素敵、ちょっとおばかな…』…ぶふっ……くくっ」
「なっなんだ」
小牧の手から携帯を引ったくり内容を見た堂上は机に突っ伏した
「なにこの診断メーカーすごく当たるじゃん」
そう言うと上戸で震える手で情報提供者に診断結果を送ってやった
柴崎が再び崩れ落ちたのは言うまでもない

『笠原郁の好きなタイプは運動神経抜群、頭のいい王子様みたいな人です』

『堂上篤の好きなタイプはみんなに愛され笑顔が素敵、ちょっとおばかなお姫様みたいな人です』

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おまけ
「小牧二正…堂上二正と笠原の様子が今日は変な気がします」
「どこら辺が??」
「何かお互いぎこちないというか…笠原がまたなにかしでかしたんですかね」
「ぶふっ…そっ……そう…じゃ…ないと…おも…う…よ…くくっ…」
「こ、小牧二正!?」
「わ…悪い…の…はかさ…はらさ…じゃ…ないっ…から…」
結局小牧の上戸で理由は語られず悶々としながらその日の業務をこなす手塚だった

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