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「ねぇねぇ!!遊びたいよ!!」

「いざとなったら俺たちが止めるしよ」

「任せてください、10代目!!」

「・・・分かったよ」

「わーい!」




渋々納得したツナ。

咲希は嬉しそうに手をばんざいした。

了平とランボは邪魔になるだけなので、ツナ・獄寺・雲雀・山本・クローム・リボーンが見学?することに。




「咲希は武器・・・何・・・使うの?」

「武器は使わなーい」

「え゛。じゃぁ、素手で戦うの・・・!!?」

「へぇ・・・・」

「うーん、ちょっと違うかな〜。炎を使うの!!」

「・・・炎?」




ボゥ


咲希の手に突然炎が宿った。

これにはびっくり、全員が目を見開き炎を凝視する。

リングをつけていない・・いや、それ以前に手から炎が出ているのだ

綺麗な紫色の炎・・・




「これ・・・」

「全部で7色あるの」

「7属性・・・ってことか。」

「すごい・・・」

「これじゃぁ・・・な」




この炎を自由に操れるのだとすると、いくら雲雀でもそう簡単に手出し出来ないだろう。

特に嵐の炎なんて食らったら・・・考えただけでもぞっとする。

唯1人、雲雀だけは



「面白そうじゃない。」



にやりと笑っていた。







***







「じゃぁ、始めようか」



ボゥ

カチッ


咲希はじっとその様子を見ていた。

雲雀はトンファーを構え咲希を睨みつける。


「・・・それなぁに?」

「トンファーだよ。」

「トンファー?ふぇー。当たったら痛い??」

「痛いんじゃない?鉄で出来てるんだから」

「うぇ〜。絶対当たりたくない!」

「余裕だね行くよ





ヒュッ


雲雀は咲希に向かって走り出した。

けれど、咲希はまったく動こうとしない。

不意に、雲雀の足が止まった。




「・・・・なんのつもりだい?」

「ふぇ?」

「その、雨属性の炎だよ。」

「うわー!!分かったんだ!!きょ−やってすごいね!」




ニコニコ笑って咲希は純粋に雲雀を褒めていた。

そう、咲希の周りには目に見えないほど薄い雨属性の炎の膜がはってあるのだ。

むやみに突っ込めば、雨属性の「沈静」にやられてしまう。

雲雀はムスっとしながら咲希を睨みつけた。


成す術がない・・・


ボゥッ


すると、咲希の手に赤・・嵐属性の炎が宿り


バッ


雲雀に向かって飛んできた。

雲雀はぎりぎりのところで避けるが、また飛んでくる。




「くっ。ロール、形態変化カンビオ・フォルマ

「ん?」




パァァァァ


雲雀によって素早く出されたボックス兵器・・・ハリネズミのようなものが形態を変える。

手錠・・・?




「近寄れないなら、こうするまでさ」

「っと!!」



ヒュンッ


次々に手錠が咲希を捕らえようと飛んでくる。

咲希は綺麗に避けていくが、だんだん量が増えていく手錠。




「むぅー」

「どう?」

「増殖してるし・・・だったら・・」



バババババッ


「ちっ」



全身から発せられる嵐属性の炎に手錠が分解されていった。

咲希もやられるはずなのに平気そうにしているのは、体に晴の活性の炎が働いているからだろう。



「いいね」

「ふふっ」



殺気が、倍増した。



「やめろ」


「・・・・・・」

「ええー!!」



そこでツナは2人の間に入り戦いを止めた。

2人とも不満そうな目でツナを睨みつけている。いつものツナならそれでひるむのだが・・



「それ以上やれば壊れる」

「だったら君が相手してくれるわけ?」

「・・・・・・」

「・・・・分かったよ」




渋々と言った感じで、雲雀はトンファーを戻した。

額から出るオレンジ色の炎。

どうにも超モードのツナには逆らえない。

咲希は見たこともないツナに首をかしげている。




「ツナ・・・だよね?」

「そうだ」

「えええ???」

「落ち着け。ま、二重人格みたいなもんだな」

「誰が二重人格だよ!!」

「ぁ、戻った」




額から炎が消え、いつもどおりのツナ。

面白い〜と咲希はキャっきゃ笑っている。

なんとか、訓練室が壊れる前に止められてよかったと内心ツナはホッとしていた。


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