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それから、もちろん咲希の部屋にものがあるわけでもないので、今度会に良くと約束して屋敷を回ることにした。
途中、使用人に紹介したり。誰もが笑みを浮かべて歓迎してくれた。
「10代目ー!!と・・・ゲッ」
「獄寺君、どうしたの?」
「いえ、そろそろ会議の時間なのでリボーンさんが呼んでこいと・・・」
「あ!そうだった!!」
「10代目・・・・何でそいつがいるんですか!?」
獄寺は咲希を指差しながらいった。
まぁ、使用人を殺した咲希とツナが一緒にいるのだから驚いても無理はないだろう。
ツナは苦笑しながら「詳しくは会議で」と言って咲希を連れて会議室に向かった。
会議室には既に守護者が集まっていた。つまりツナたちが一番最後だ。
「へぇ、その子が使用人殺したって子?」
「雲雀さん!」
「咲希だよ!」
「どういうことだ??何でそいつがここに・・・」
「ボス?」
「極限になんなのだー!!」
「皆、落ち着いて。まず、今日からこの子が一緒に住むことになったから」
ツナは咲希を前に出していった。
咲希はにこっと笑って辺りを見渡し自己紹介をする。
「咲希です」
「「「「「「・・・はぁ!?」」」」」」
「可愛い・・・」←何か違う
当然、山本獄寺は驚き。
ランボと了平は咲希のことを良く知らないので普通の反応。(面倒なので雲雀にしか教えていない)
クロームはぽぉと咲希を見ている。
「10代目!!本気何ですか!!?」
「危ねーって。やめとけ!」
「敵のスパイかもしれませんし、こんなやつ置いといたら寝首をかかれるかもしれません!!」「もう決めたから」
ツナははっきりきっぱりいった。
獄寺と山本はなおも反対しようとした。当たり前だ。
けれど、そのツナの目が本気だといっているのに気付き口を閉じた。
「ツナ・・・」
「っ・・・・てめぇ・・・10代目に手ぇ出したら承知しねぇからな!!」
「っ! そんなこと・・・ぅっ・・・ヒック・・・しないもん!!うわぁぁぁあああああああああああんん!!!」
「んな!」
「えぇ!?」
突然咲希は泣き出してしまった。あまりに突然すぎて全員、オロオロしながら見つめることしかできない。
いくら殺しをしていてもまだ10歳という子供。
18歳の獄寺に睨まれ、怒鳴られ・・・・平気でいられるはずがない。
涙をぼろぼろと流し、咲希はワンワンわめいた。
さすがのボンゴレ幹部達もこれには為す術がなかった。
というより、何をすべきか分からなかったのだ。
「うわぁぁあん!!!」
「ちょ、咲希、落ち着いてっ・・・」
「ほ、ほら。獄寺!謝れてって!」
「な、何で俺が!!?」
「泣かしたのお前だろ??ツナが困ってるぜ?」
「おい、煩ぇぞ!!」
「うわぁぁあああーーーーん!」
リボーンが怒鳴りつけると、咲希はさらに甲高く大きな声で泣いた。
逆効果だ・・・と、全員に睨み付けられる。
会議室中にその声は響き、どうしようもなく・・・呆然とするしかない。
・・・すると、驚くことに咲希をなだめたのはツナだった。
ツナは優しく咲希を抱き上げて頭を撫でたり背中をさすったりする。
「よしよし。ほら、泣き止んで?」
「ヒック・・・ヒック・・・っぅわぁぁあぁ!!」
「怖かったね。もう大丈夫だから」
「ううんっ・・・ヒック・・・ふっ、ぅん・・・つなぁっ・・・」
「・・・意外な特技だな」
「いや、よくランボにこうしたなぁって」
ランボで慣れているらしい。
ツナのおかげで咲希はだんだん泣き止んでいった。
ツナの服で顔を拭こうとしたので、慌てて獄寺がティッシュで顔を拭いてやる。
とりあえず・・・・・咲希が泣き止み一安心といったところだ。
「大丈夫?」
「うん!」
さっきまで泣いていた面影はどこにもなく、にっこりと笑っている。
その変わり身の早さにツナは苦笑しながら言葉を続けた。
「じゃぁ、ボンゴレ幹部を紹介するよ?」
「かんぶ?」
「咲希の世話をしてくれる人達」
「はーい」咲希は笑顔で、きらきらした目で、周りを見渡していた。
一瞬、殺人者であることを忘れてしまうぐらい。
山本と獄寺は一瞬混乱したが、すぐにいつもの様子に戻る。
「じゃぁ、よろしくね」
「はい!まず、10代目の右腕であるこの俺から!!獄寺隼人だ!!」
「・・・ご・・・はと?」
「なっ!!」
「はははっ!はとっ!ま、しょうがねぇよな」
「てめぇ・・・」
「ご、獄寺君。落ち着いて」
「す、すいません、10代目!!」
「えぇと・・・隼人だよ。はやと」
「はやと?」
「そうそう」
「はやと!!」
咲希は嬉しそうに獄寺を指差してキャーキャー騒ぎ出した。
名前で呼ぶという動作を今まであまりしたことがないから興奮しているのだろう。
「俺は山本武だぜ」
「たけち?」
「た け し」
「たけし?」
「そうだぜ♪」
「たけしー!」
「俺は笹川了平!座右の銘は極限!!」
「・・・ささ・・・。極限!!」
「真似しなくていいから!てか、覚えないで!!」
「何を言う沢田!極限いいことだ!」
「きょっくげーん!!」
「あぁ・・・。この人は、笹川了平。えぇと・・・りょーへー」
「りょーへー??」
「極限のそうだー!!」
「極限ー!!」
了平と一緒に腕を上げて極限連発する咲希。
変な口癖を覚えた・・・・・とツナたちが嘆いたのはいうまでもないだろう。
ま、可愛いからいいけど←
「クローム・髑髏」
「・・・・・・わかんない」
「えと・・・その・・・」
「クロームだよ」
「くりょむ?」
「クローム」
「クローム!!」
「うん」
クロームは恐る恐る咲希の頭を撫でた。
咲希は一瞬、驚き警戒して殺気を出したがすぐににっこり笑って大人しく撫でられていた。
クロームはかすかに微笑む。
「ランボといいます」
「・・・・牛?」
「ぐっ!が・ま・ん!」
「ランボだよ!」
「ランボね。わかったー!」
「そう。それから・・・・あの人が・・・・雲雀恭弥」
「ひきょり??」
「きょーや」
「きょーや?」
「そう「人の名前呼び捨てなんていい度胸だね」ひっ!す、すいません!!」
微妙に怒っている雲雀。
ツナは慌てて謝ったが、雲雀から不機嫌オーラは消えず、ムスッとしている。
そんな雲雀に咲希は怯える様子もなく近づき、凝視した。
「・・・何」
「・・・きょーやって・・すっごい強そう!」
「え゛」
「一緒に遊びたい!!」
「・・・へぇ。いい度胸じゃない」
「ちょっ!雲雀さん、やめてください!!咲希も!そう言うことはしないって約束したよね?」
「そりゃぁ、こんなところではしないよ」
「えー、でも殺さなきゃいいんでしょ??」
「う・・・まぁ」
「いいんじゃねーか?咲希の実力を見るいい機会だ」
リボーンはにやりと笑った。
確かに、いずれ敵になるかもしれないなら実力を知っておいたほうがいいが・・・・いろいろと怖い。
雲雀が子供だろうと手加減するだろうと思えないし、咲希も遊んでいるうちに本気になったりしそうで・・・
訓練室が壊れるぐらいですめばいいが(壊れなければもっといいがそれは無理だろう。)
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