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少女の持っていたソレ・・・つまり、屍は・・・酷かった。
もう既に屍を呼べるものか分からない。
目玉はえぐられ、内蔵は飛び出ている。
脳は鼻から半分えぐりだされ、皮膚は剥ぎ取られ、骨がところどころから突き出されている。
手で潰したかのように、ぐちゃぐちゃにされた・・・物の数々・・・
元々が人間だとは、思えなかった。
それ以上にツナは信じられなかった。この少女がこれをやったのだということを。
「ぐっ・・・・うえっ」
「おえっ!」
さすがのリボーンでも、目の前の光景には耐えられず吐いた。
血の匂いが鼻をかすって気持ち悪い。
胃から中身が溢れ出てくる。
少女は、なにもせず・・・ただじっとその様子を見つめていた。
「どーしたの?」
「何で・・・・なんでこんなこと!!」
涙が止まらなかった。ボロボロと落ちていく涙は血の海へと消えていく。
少女はキョトンと首を傾げたままだった。
それでも叫んだ・・・命いっぱいの怒りを込めて。
だが、少女の反応はいまいちで・・・・やはりキョトンと首を傾げるばかり。
「怒ってるの??」
「当たり前だ!!こんな・・・・・」
「こんな???」
少女はまったく理解できないようで、ツナのそばにしゃがみこむとまた首をかしげた。
ガンッ
すると、首に走った衝撃。
一瞬で意識は奪われていった。
「りぼ・・・ん・・・」
「ハァ・・・ハァ・・・なんてやつだ・・・。どうする、殺すか」
「ま、まって!!」
「ここは立ち入り禁止にするぞ。片付けられるはずねぇからな。で、どうするんだ」
口元を拭きながらツナは・・・少女を見つめた。
気を失っているその少女は・・・
「連れて帰るよ」
「・・・正気か?」
「話を・・・聞きたいんだ・・・」
いくら殺しが嫌いなツナとはいえ、こんなことをした子供を連れて帰るなどどうかしてる。
そうは思ったが、ツナのしっかりとした目を見て何もいえなくなり・・・・
「分かった」
それだけ返して、少女を抱きかかえた。
そして2人は歩きだす。
しばらくは血の匂いが鼻をかすめたが・・・・
夜風に吹かれ、次第に気になることはなくなった・・・・
血に塗れた少女は 酷く綺麗だった
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