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ドサッ!


「おいおい・・・こんな簡単につかまったのかよ〜」

「雲雀恭弥もたいしたことねぇな!」



口に布を当てられて声が出せない。

雲雀は無言のままに目の前の男たちを睨みつけた。

普段あまり気にしていないせいか、疲れていたせいなのか運転手が変わっていたことに気付けなかったのは自分のミスだ。

どこのファミリーかは知らないが・・・格式も伝統も重んじない最近のマフィアだろうと予想はつく。



「で、こいつどうするって?」

「ボンゴレをおびき寄せる餌だとよ。」

「殺さなければ何したっていいって言ってたぜ?」

「マジかよ!!俺の部下が何人こいつにやられたか!!」




そんな会話を聞きながら、雲雀はじっと黙ってどうするべきか考えていた。

咲希も人質なのだろう。だが、ここにはいない・・・。

一応女だから・・・売られるという可能性もあるが・・

それよりもどうやって抜け出すかだ。

手は縄で縛られていてとても取れそうにない。トンファーもリングも奪われた。

まさに絶体絶命と言う状況だったが、こんな格下にやられるなど雲雀のプライドが許さない。



「けどさ、雲雀恭弥があんな小さい子供といるなんてよ〜。」

「ロリコンなんじゃねぇの!!」



それを聞き、雲雀の怒りはより高まった。

どっちかといえば、ツナのほうがロリコンのはずだ。つれてきたのはツナなわけだし。

雲雀は、任務として一緒にいただけ・・。

雲雀が今にも飛びついてきそうなほど怒りをあらわにしていると、口にあてがわされていた布がはずされた。



雲「・・・こんなことして、ただで済むと思ってるわけ(ギロリ」

「ひっ!」

「びびってんじゃねぇよ!おまえに何が出来るってんだ?(嘲笑」

雲「ボンゴレなめないでくれる?僕には発信機がついてるんだ。帰ってこないと知ればすぐにでもここに乗り込んでくるよ。」


もちろん嘘だ。

そんなものつけようものなら即座にかみ殺される。



「はっ、はったりだ!大体俺たちには人質がいるんだ!!」

雲「人質?誰のこと?」

「お前とあの子供に決まってるだろう!!」

雲「僕が人質ねぇ?あんな子供が人質の役に立つわけないでしょ。」

「うるせぇ!!」



ドガッ



雲「っ。」



腹に蹴りが一発入れられた。

それを始めに、次々と蹴る殴るの暴行がされた。

雲雀はただ、されるがまましかない。

うめき声を上げないように歯を食いしばる。



雲(こいつら後で絶対殺す・・・)


「ギャハハ「グチュッ」・・・・あ?」

「兄貴・・・今の音・・」



グチュッ

































グチュグチュッ!


ベチャッ!



扉の向こうから、水音が聞こえた。

そして、錆付いたにおいが微かに、この部屋にも漂ってくる。



ギャァアアアアア!!!

「あっ、兄貴!!」

「慌てるな!!」



ギィ



扉が開いた。

出てきたのはボス・・・

慌てて近づいた部下たちは見てしまった。そのボスの首がなかったことに。




































クスクスクス。アハハ!!




そう、このときまで誰も

彼女の怖さを理解してはいなかった。


雲「咲希・・・・・」

「ぁ、きょーや!」


持っていたボスであろう男の首を投げ捨て、咲希は嬉しそうに雲雀に近づいた。

部下には止めることも出来ない。

誰も予想できなかっただろう。

あの少女が、こんな残酷なことをするなんて・・・


男の首・・・から上は顔と判断するには難しかった。

目玉はえぐられ、顔の皮は剥がされている。

剥き出しになった筋肉には所々穴が開いていて臓器が剥き出しになっていた。


「よかった〜!きょーやいなかったら・・・」

雲「・・・なんで殺したの?」

「ん?だって起こされたんだもん(ぷー」

雲「それだけ?」

「うん。?」



咲希はどうしてそんなことを聞くのか分からないと言った表情だ。

血にぬれた顔、体、手。



「早く帰ろーよー。」

雲「うん・・そうだね。」

男「てってめぇら・・・ただで帰す「グシャッ。」・・・げぇっ!!

「煩いな・・・」



咲希は無表情のままに、男の腹に

躊躇なく手を突っ込んだ。


ぐしゃりと何かがつぶれるような音がして、手が引き抜かれる。

と一緒に、内臓が姿を現した。



男「ぐっ・・・ぇっ・・・」

「あははっ!」

雲「咲希!」

「ん?」


男「うぇっ!!」



男は汚物を出して、倒れた。

周りにいた部下たちは、あまりの出来事に反応も出来ずに固まる。

だが、現実を理解していくのと同時にカタカタと震え始め、目に涙を浮かべていった。



「あは。弱いなぁ・・・つまんない。お兄さんたちは・・もっとおもしろいかなぁ?

男「やっ・・やめっ!!」

「ふふふ。もっともっと、面白い遊びはなーい?中身出すだけじゃつまらないよ。皮をはぐのも飽きたし、目玉を潰したって面白くない。指を噛み切ってみようか?それで、それを食べさせるの!

すっごく面白いと思わない?

男「ひぃっ!!」

雲「咲希・・・止めろ。」



男に伸びていた手がぴたりと止まった。

咲希はむぅと不機嫌そうに頬を膨らませ、雲雀を見る。

だが、雲雀は相変わらず怖い目で咲希を睨んでいた。



雲「綱吉と・・・約束しただろ?」

「そーだった!!うぅ;約束破っちゃったよ!!怒られる??;;」

雲「今やったらね。止めたら怒らないようにいっとくよ。」

「じゃぁ、止めるー!」


咲希はにこりと笑って、雲雀のもとにかけていった。

嵐の炎で縄を外すことも出来たが、火加減を間違えればあの世行きだ。

そんなリスクを犯す覚悟なんてあるわけがない。それ以前に、咲希に助けられるなんて雲雀のプライドが許さない(とっくに助けられてるけど。)


雲「あぁ、それから。」


雲雀は、縮こまっている部下たちを見て一言付け加えた


雲「この落とし前は必ずつけさせてやるから。




その笑みに、一瞬にして男たちは気絶してしまったのだが。

すでに、立ち去った雲雀が気付くはずもなかった。


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