3日目

ドガッ  バゴッ


黒曜ランド。

複数の男子・・・八木沼たちにボコボコにされている真人。

助ける者はなく、骸たちは冷えた目でそれを見つめていた。

無論、夕翡も。



骸「止めませんでしたね、貴女は。」

「ん〜、忠告はしたよ?それでも暴力に溺れちゃったんだからしょうがない。」



真人は暴力に溺れた。

力で人を従えるようになった。力で・・・・そして、偽の六道骸・・つまり、ランチアを倒しに来て。

真実を知り、やり返された。それだけの話。



犬「ちーす、終わりました、骸さん?」

骸「えぇ。今ちょうど。貴方達もここで見ていればよかったのに。」

犬「俺もそうしたかったんれすけど、柿Pに止められたんれすよ!」

「犬がいると邪魔だもんね。Pは正しい。」

犬「なんらと!!てめぇのほうが邪魔らびょん!」

「えぇー。黒曜の紅一点じゃない?」

千「メンドイ。骸様。こちらでも収穫がありました。」


どさっ


喧嘩している?夕翡と犬を無視して、千種は骸の前に誰かを放り出した。

ロープでグルグルに拘束されたその少年・・・・フゥ太だ。

フゥ太は怯えているものの、骸をきっと睨み付けている・・・が、夕翡を見たとたんその目は驚きで見開いた。

夕翡はにっこり笑う。



千「ランキングフゥ太。ボンゴレ10代目と顔見知りのようです。」

骸「おやおや・・・これは。ランキングの正確さでイタリア中のマフィアに一目置かれているランキングフゥ太・・・その情報なら間違いはない。」

「よかったね、ふー。有名人♪」

骸「で、貴女は何をしているんですか?(にこ」

「えっ?見てわかんない?」

骸「分かるからこそ言ってるんですよ?



骸の笑みが引きつる。

夕翡はへらっと笑いながら、躊躇する様子もなくフゥ太の猿ぐつわとロープをはずした。

「ぷはぁ」と酸素が入ってきたことで、フゥ太は呼吸を整える。



「大丈夫??もー、子供相手に酷いことをしなくても良いのに!」

フ「夕翡姉。何でここに??捕まったの??」

「んー、居候?」

フ「え??なんで!?逃げないと!」

「大丈夫だよ。」



焦り,困惑の様子を見せるフゥ太に、夕翡は笑いかけた。

安心させるかのように。

その笑みで、フゥ太は少し落ち着きを取り戻したものの・・・まだ、困惑している。



「大丈夫。ちゃんと、助けは来てくれるから。」

骸「クフフ。ボンゴレ10代目が・・・ですか?まぁ、いい。僕達はランキングフゥ太に用があるのです。」

「拷問禁止ー。あと、マインドコントロールも禁止ね!」

骸「貴女にそんなことを言う権限はありません。」

「ある!」



かなり堂々と宣言した夕翡だが・・・・。ここまで堂々といえることにある意味驚きだ。

ここは骸の本拠地で、周りは敵ばかり。

そんな状況で、こんなことをいえるなんて・・・まぁ、夕翡の特権と言うか。



「だて、むっくん受けだし。うん。ツンデレが良いな〜///」

フ「夕翡姉こんなときに飛ばないで!

「あはは〜。 ま、ノーヒントって言うのも難しいだろうし。ふー、ランキングブックかして?」

フ「え、いいけど。」

「ありがと。」



夕翡はフゥ太からランキングブックを受け取ると、


ビリッ


ある1pを破り、骸に手渡した。



「並中喧嘩の強さランキング。」


骸はそれを見て、首を傾げる。いったい、どう活用しろと言うのか。




「じゃっ、居候も1人増えたことだし。よろしくね〜。」

フ「夕翡姉!なんで逃げないの?夕翡姉なら簡単に逃げられるよね!?」

犬「何言ってんだびょん!!」

千「そう簡単には逃げられないよ。」

「え?出来るよ。出来ないわけないじゃん。」

骸「ピクッ)たいした自信ですね・・・。僕から逃げられると。」

「自信じゃなくて確信。でも、ここで逃げても意味はないからね。」



笑みが引きつっている骸を、夕翡は笑った。

そう、ここで骸に勝ってことツナは強さを手に入れられる。

仲間の大事さを実感できる。

そのためには、夕翡とフゥ太が人質になっていたほうが都合が良いに決まってる



「ってことで、世話になると言うより世話をするから!どうせたいしたもん食べてないでしょ。」

犬「ちゃんと食べてるびょん!」

「・・・・インスタントとか、お弁当とかガムとか?」

犬「な、何で知ってるんだびょん!」

「・・・・びょんって三食ガムなの?生活習慣病になるよ?いくら犬(いぬ)でも。」

犬「煩いびょん!!!」



とりあえず、何が起こるかさっぱり分からないが・・・・

黒曜中が賑やかになると言うことだけはいえるだろう。

そして、黒曜メンバーが夕翡に振り回されると言うことも。



「さー!明日からガンバロ!」




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