Thirty-two
ツ「そう言えば雲雀さん。親の人とか心配しないの?」
「いないよ。」
ツ「・・・えっ?」
「違う。帰ってこない?放任主義・・・あ!冷えた家庭ってやつ?」
ツ「そう・・・だったんだ・・。」
「だから家には帰せないの。絶対恭君放っておくし、病院にも行かないだろうし。」
ツ「え、じゃぁこの前風邪で入院してたのは?」
「私が病院に電話した。まったく。」
家には誰も世話をしてくれる人がいない。
そしたら、風邪で入院でも仕方がないのだ。
いくら雲雀でも風邪の時に全部自分では出来ないだろうし。
現に今、ツナのベッドで雲雀はすやすや安らかに眠っている。
夕翡はツナに雲雀を見てるように言って、下へ降りて行った。
「ランボ、イーピン。そろそろ寝る時間だから寝ようね?」
イ「ハイ。」
ラ「ランボさんいy
「ランボ?(黒笑」((((;゚;Д;゚;))))分かったもんね!!」
「うん、いい子。」
ランボとイーピンを寝かしつけてから、夕翡は飲み物とタオルを持って部屋へ。
その顔は珍しく、険しくて・・・雲雀を心配していることがわかる。
「ツナー。恭君どう?」
ツ「うん、よく寝てる。」
「まったく、ぐしょぬれで無理しなくてもいいのにね。」
夕翡はそっと額の上に濡れタオルをおいた。
心なしか、雲雀の息が落ち着いたように見える。
夕翡は少し安心したように笑い、優しく前髪を撫でた。
それはまるで・・・・恋人のようで・・・
ちくりとツナの胸が痛んだ・・・・?
ツ(あれ?)
「ツナは寝てていいよ。私が見てるから。」
ツ「そう?大丈夫?ていうか夕翡どこで寝るの?」
「そこら辺で寝るから大丈夫。」
にこと笑う夕翡。
ツナは言われるがまま夕翡の部屋のベッドを使った。
けど、心の中では・・・黒い感情が渦巻くのを感じる。
ぐちゃぐちゃで・・どろどろな・・・よく分からない感覚。
そんな考えを打ち消すかのように、ツナは早く眠りの入った。
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