Twenty-eight
「
沢田綱吉。起きないと咬み殺すよ。」
ツ「へっ・・・
うわぁああ!!すいませ・・・・・・・・夕翡?」
「ふふ。どう?騙された?」
ツ「はぁ・・・心臓に悪いよ・・・。本当にびっくりしたから;」
「早く起きないツナが悪い〜。今日は動物園デートだっていうのに。」
ツ「デート?夕翡と?・・・動物園に・・?」
「うん、恭君と一緒がよかったけど・・・群れてるのみたくないだろうから。」
夕翡はツナにのしかかりながら笑って言った。
いい加減降りてほしいと思うツナだが・・・・・口には出せず。
夕翡は軽く頬にキスを落としてから部屋を出て行った。
ツナはふわぁと欠伸をして起き上がり、のろのろと着替え始める。
ツ「おはよう。」
「おはよ。早く朝ご飯食べてね。」
ツ「うん。で、何で動物園に行くの?」
「リボーンからたまには羽を伸ばしてこいって。」
ツ「リボーンからってことが怪し
「頭に風穴開けられてーのか?」ひっ!いたのかよ!!」
突然登場したリボーンに銃を向けられ朝から引きつり顔。
急いでご飯を食べ終え、動物園へレッツゴー。
ということで、一同は電車に乗った。
「いーい?痴漢には注意してね。スリにもだよ。ツナ、ボケーッとしてるから。」
ツ「うん;(普通逆なんだけどね)」
リ「・・・おい、
何で夕翡が男装してるんだ?」
「え?痴漢防止だよ。無駄に外見がいいらしく遭いやすいんだ。」
リ「意外だな。確かに外面がいいが・・・中が最悪だから気がつかなかったぞ。」
「まぁね。ツナ、荷物貸して。盗まれるから。」
ツ「ありがと。」
「高いよ?」
悪戯っぽく笑う夕翡はどこかいつもと違っていた。
リボーンはあの・・・強欲なアルコバレーノを思い出す。
夕翡は男装すると微妙に性格が変わるらしい。
「動物園でもこのままでいようかな。着替えるの面倒だし。」
ツ「え゛。そういる時の夕翡微妙に意地悪だから嫌だな。」
「そうかい?まぁ、優しくしてあげるよ。」
リ「おい、その言い方どっかの誰かを思い出すからやめろ。」
「似せてるんだから当たり前だよ。ま、止めてほしいならやめるけど〜。」
不思議な雰囲気はどこへやら、いつもの夕翡の雰囲気だ。
ただ、男装していると・・・オカマっぽくて気持ち悪いんだよね。
リ「ナレーターの言う通りだな。」
「あは。じゃぁ、恭君でいく。」
ツ「え・・・・・・・。」
「咬み殺しはしないよ。あ、ついたみたいだ。落ちるよ。」
電車は止まり、3人は動物園に入場した。
一番最初はライオン。夕翡がライオンへ走った。
「らーいーおーん!!!百獣の王ー!!っと、恭君だった。」
ツ「なんか帰りたくなってきた・・・・。よくよく考えると、夕翡と動物園にきてよかった思い出1つもないし。」
リ「そうなのか?」
ツ「5歳の時・・・夕翡・・
ライオンの檻に入ったし。」
リ「・・・・は?」
「懐かし〜。だって触れ合ってみたかったんだもん!(ナッツ・・いや、ベスターみたいで)」
しかも、ライオンが夕翡を襲うどころかひれ伏したから・・・・
誰もが驚く中得意そうにライオンに抱きついていた夕翡は忘れられない。
写真にもしっかりと残っている。
リ「すげーな。」
「あの頃は若かったからね。それよりウサギを見ようよ//」
ツ「・・・・えぇー。」
「何。まだトラウマなわけ。」
リ「トラウマ?」
ツ「5歳の時・・・夕翡が写真取るって言って・・・ウサギを抱っこした。」
「そしたら、綱吉の才能なのか20匹ぐらいのウサギに囲まれたり頭に乗られたりしてたよ。」
ツ「怖かった・・・・。」
情けないと思うかもしれないが、チワワにびびるツナなのだから・・・
そんな感じで動物園にいい思い出のない(ほぼ夕翡のせいで)ツナはいい思い出が出来るといいなあ〜と。
そんなこんなで、夕翡に誘われ夜間動物を見に行くことに(((何故に
ツ「ヒッ!夕翡!待って!早い!!!」
「ワオ。蛇にイモリにヤモリにこうもり・・・
ファンタズマー!!」
ツ「あぁ」
リ「・・・・・・あいつ・・・本当に女か?で、お前は本当に男か?」
ツ「煩いな!ひぃ;;;」
ガサガサ
ただでさえ暗いのに・・・不気味な音が響き・・・何かが蠢くような音。
ツナは全身を振るわせた。
リ「たくっ。情けねーな。」
ツ「しょ、しょうがないだろ;; あれ・・・出口どこ・・」
リ「こっちだ。」
ツ「わわっ。」
小さなリボーンの手に惹かれて、ツナは歩いていった。
情けないと思いつつも・・・怖くてそんなプライドなんて捨て去った。
進めば進むほど、闇は深くなり・・・
繋いでいる手の震えも増した。
こんなんでちゃんとしたボスになれるのか不安なぐらいだ。
リ(たくっ。)
不思議と守ってやりたくなるそれは・・・
リ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありえねぇ。ありえねーな。俺にそんな趣味はねぇ。)
ツ「リボーン?」
リ「ッ!急に出てくんじゃねぇ!」
ガッ
リボーンの蹴りが、華麗にツナのあごに決まった。
あまりの痛みにツナは悶えている。
ツ「いだだだ!!何すんだよ!!急に!」
リ「うるせぇ。グダグダいってねーでさっさと歩け!」
ツ「は???」
やっとのことで、夜間動物館から出られたものの・・・・夕翡の姿がない。
ツナラブな夕翡が・・・いくら爬虫類に走ったからといって・・・いないなんてありえない。
ツナは辺りを見渡すが、それらしい姿はなく・・・
ツ「夕翡ー?」
完全にはぐれてしまったようだ。
ツ「夕翡ー!?!?」
リ「いねーな。こんだけツナが呼んでるのにこねえってことは・・・・。」
ツナ大好きな夕翡のことだ。
ツナの声さえ聞こえれば、地球の裏側からだろうが走ってくるだろう(冗談ではなく(((
その夕翡が・・・来ないということは・・・何か合ったのか?
『わんっ!』 ツ「ひっ!犬ー!!!!」
リ「ダメツナが。情けねー声出すんじゃねー(ハァ)」
ツ「だって;;;」
突然の、犬の泣き声にツナは半泣き目でしりもちをついた。
犬は、出口の近くにあったドッグパークからの声のようだ。
それを見て、ツナはふと思いついたように「ぁ。」声をあげた。
リ「どーかしたのか?」
ツ「夕翡・・・・
犬がダメなんだよね・・・・・。」
リ「・・・・・は?あの夕翡がか?」
ツ「うん。小さい時・・・っていうか、俺が覚えてる夕翡全部・・犬が大ッ嫌いで・・・。泣き声聞いたら気絶してた。」
リ「・・・・・真面目に言ってるのか?(チャキ)」
ツ「ひっ!本当だから!!犬を見るたびに俺の陰に隠れてたし(唯一お兄ちゃんになれた瞬間)」
これには、さすがのリボーンも驚いた。
いつもの夕翡から考えれば、ある意味傍若無人・・・苦手なものがあるなんて想像も出来ない。
が、ツナの言っていることが本当だとすれば夕翡がいない理由が説明できる。
ツ「迷子センター?」
リ「あの年でか・・・・・。」
ツ「でも、気絶したら迷子センターとかだよね?あ、でも夕翡って気絶すると1時間はうなってるし・・・」
とりあえず、ツナたちは迷子センターへ。
状況を係員に説明すると、確かに気絶した女の子が届けられたという・・・・
夕翡はベッドでうなりながら気絶していた・・。何かの呪文を唱えているようでかなり怖い。
ツ「夕翡!・・・起きない。スゥゥ
わん!」
「
ぎゃああああ!!嫌あああああああああ!!」
起きたとたん絶叫した。
部屋の中に声が反射して、思わず耳を塞いだのだがまだ煩い。
「ツナの馬鹿〜;;;;なんて声で起こすの!!!」
ツ「だって、夕翡こうでもしないと起きないじゃん。」
「そうだけど;(。´Д⊂) ウワァァァン」
ツ「よしよし。」
リ(初めてこいつが兄に見えたぞ。)
ツナに寄り添って、本気で泣いている夕翡と落ち着かせるように頭を撫でているツナ。
本当、仲のいい兄妹だ。普通、この年でそんなこと出来ないって。
係員は気を利かせて出て行った。恋人同士だとでも思ったのだろう。
「
ハァ・・・全世界の犬が・・・犬という種族が消えればいいんだ。」
ツ「夕翡、全世界の犬ファンに謝りなよ。」
「嫌いだよ!犬なんてぇええ!!大体管理能力がなってないからぁ!!!」
ツ「はいはい。動物園、回るんでしょ?」
「もう帰りたい。」
リ「早すぎねーか?」
「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌。」
リ「こえーぞ。それ。」
とはいうものの、夕翡が帰りたいなら別にいいかなというツナ。
ツナは夕翡を背負って動物園を後にした。
リ「本当に犬が苦手なんだな。びっくりだぞ。」
「前世で・・・噛まれた。膝を・・・手術したのがトラウマ。本当に無理!!!」
ツ「夕翡!痛いって!!」
「わぁ、ごめん。」
あんまり熱心?に話し過ぎてしまったせいか、ツナの髪を引っ張っていたようだ。
ツナは軽く涙目。
電車の中であんまりさわいじゃいけないんだけどな。
「ていうかリボーン。ツナに変なことしなかった??大丈夫??」
リ「
殺すぞ(チャキ」
夕「だって〜。リボツナも普通に好きだけど子リボーンとツナって裏的に無理があるから好きじゃな
「バンッ!」電車の中で何やってるの!」
ツ「2人とも煩いから。静かに。」
「はーい。」
こうして動物園での思い出に・・・また、悪い思い出が追加されたのであった。
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