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「
おえっ!!ぐっ・・・」
「ツナ・・・」
「おい、ボンゴレ坊主の様子見せてみろ」
部屋の中は豪華だった。
その中にあるひとつのベッドでさっきの綱吉が吐き続けていた。
もう出すものもないのだろう、透明な液を口から出している。
「うっ・・はっ・・・はぁっ・・はぁっ・・・」
「チッ。聖水でも飲んだのか?おい、今すぐ新鮮な血を大量に持ってこい!!」
「あ、あぁ」
「これじゃぁ、俺に出来るこてゃねぇな。血を飲ませて回復を待つしか・・・。幸いパンピールだったから死んではねぇようだが」
「・・・聖水」
「あの・・・雲雀さん!」
「なに」
「離して下さい!!」
咲はガッチリと手を掴まれたまま部屋の前に立たされていた。
人間よりも聴覚のいい吸血鬼の雲雀には中の会話がちゃんと聞こえていたが
人間の咲には何がなんだかさっぱりだ。
「君・・・なにもの」
「は?魔払いですよ」
「ただの魔払い?」
「・・・いってる意味がよく分からないんですけど。魔払いにただのとか何かありますか?」
咲の様子から、嘘を言っているようには見えなかった。
雲雀が何を考えているのかよく分からず、咲は顔をしかめる。
「おい、雲雀思い出したぞ。その子」
「はい」
「お前"聖血"だろ。」
「聖血・・・?」
「・・・」
シャマルの言葉に雲雀ははっとしたようだったが、咲はきょとんとしていた。
「おっさん!血もってきたぜ!!」
「おう。ボンゴレ坊主に飲ませてやれ」
「分かったぜ!」
「あの・・・聖血ってなんですか?」
「そのままだよ。君の血には魔を退ける力があるってこと。」
「??」
「君の血に触れれば大概の魔は滅される。だから君を襲った吸血鬼は灰になったんだろうね。」
"聖血"
聞いたこともない言葉だが、どんなものかは分かったのだろう。
咲は相槌を打った。
「
いやっ!いやだっ!!」
「「「!!?」」」
突然中から悲痛な叫びが届いた。
驚いている咲をよそに、溜息をつきながら雲雀は中へ入る。
「たくっ。って
おい!!」
ダッ後ろから聞こえるシャマルの声を無視して、咲は走った。
血の匂いが・・・まだ鼻をくすぐる。
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