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「おはよーございます。」
朝8時。
すでに日は昇り、明るく町を照らしている。
運のいいことに今日は日曜日で、仕事は休みになった。(といっても、依頼があれば仕事はするけれど。)
雲「・・・・あぁ、君か。」
「おはようございます、雲雀さん。体調悪そうですね・・・。」
雲「光がね・・・。頭痛い・・・」
「あはは(苦笑)」
ツ「あ!咲ちゃんいらっしゃい!昨日は本当にごめんね。よく分からないけど途中に寝ちゃったみたいで・・・。」
「ううん。」
ツ「昨日・・・ていうか今日の朝?こってり絞られたけど外に出てもいいって!咲ちゃんが護衛・・なんだよね?」
「うん。だから安心していいよ!」
ツ「護衛とか子供っぽくて嫌なんけど
ぉおおおお!?」
ガンッツナは苦笑していたが、そんな音と共にバランスを崩す。
木の分かれ目に足を引っ掛けたらしい。
その手にはなぜか、フライパンを持っていてそのまま体が地面に・・・
「おぉー・・・」
雲「そう言うことは、自分で自分のことが出来るようになってからいいな。」
ツ「うぅ。すいません・・・」
雲雀の動きは俊敏だった。
まず、倒れそうになるツナを支えつつフライパンを奪い取る。
ツナはふんばりきれず雲雀に倒れこんだわけだが、雲雀は余裕そうに立っていた。
「フライパン・・・なんでフライパン?」
ツ「俺の朝ご飯。」
「あぁ。」
ツ「と、雲雀さんの。」
「えぇ!?なんで?吸血鬼に必要なの?ていうか雲雀さん限定??」
ツ「あれ?咲ちゃん聞いてないの?」
「?」
咲がキョトンとツナを見つめ返すと、ツナはちらりと雲雀を見た。
当の本人は興味がない様子で、ふわぁと欠伸を漏らしている。
ツ「雲雀さんは、バンピールなんだよ。」
「え、そうなの?」
ツ「バンピールとバンピールの間に生まれたから一応バンピール。だから普通の吸血鬼と違って血は飲まない代わりにご飯を食べるし太陽の光も平気・・・なんだけど・・・元々が夜行性の人で。」
「あぁ。」
ツ「でも普通の吸血鬼は朝起きれないしね。」
「だから雲雀さんのもツナの護衛なの?」
ツ「うーん。そう言う理由もあるのかな?」
そんなことを話しつつ、ツナと咲そして一方後ろを歩く雲雀はある部屋にはいった。
たぶん、キッチンであろうそこにツナはフライパンをおいて皿に朝ご飯を並べる。
ツ「ごめん。朝ご飯まだで・・・」
「ううん。別にいいよー。どーせこの時間じゃあんまり開いてる店ないしね。そうそう!今日どこかいきたいところある?」
ツ「
遊園地!」
「・・・・・」
ツ「狽イめん!いや、いったことないからつい・・」
「ううん。即答するからびっくりしただけ。いいよ。遊園地ね。」
ツ「! ありがとう!」
にっこりと嬉しそうに笑うツナに、咲も笑った。
雲雀は、その様子を黙って見ている。
やがて、朝ご飯も終わり・・・時計の針は9時をさしていた。
「でも、ツナ・・・。その格好で行くの?」
ツ「え、へ・・変・・?」
「
うん。いやだって・・そんなもろ吸血鬼ですって感じなマントはちょっと・・・」
ツ「・・・・だよね。あはは・・・」
「ついでに買ってこうか。今日はお金結構持ってきたし。」
ツ「え!?別にいいよ!」
「いーのいーの。私の依頼に来たお金は光熱費を引かずに全て私のものだから!1日に10万前後儲かってるし♪」
雲「一応人間のお金あるよ。はい。」
ツ「あ、ありがとうございます。」
「どのくらい?」
雲「
5万。」
「「・・・・・・・・・」」
とりあえず、そんなお金を持ち・・・ツナたちは宿を出た。
「・・・今思ったけど、よくよく考えたら雲雀さんもツナの護衛出来るんだよね。」
ツ「うん、でも太陽の光は一応苦手だし(本人認めてないけど。)何より群れるのが嫌いだから・・・」
「群れ?」
ツ「他の人と一緒にいること。なんでも一人でやりたがるんだ。」
「へぇ〜。」
苦笑するツナに対し、咲は頷いた。
そんな雲雀がツナのそばにいることに不思議を覚えるものの、いつもそばにいるのだから大事に思っているのだろうなぁと
自分の周りにいるザンザス達が浮かんだ。
「愛されてるね。」
ツ「へ?」
「ううん。じゃ、服買いに行こうか?」
ツ「その服って・・・これで足りる?」
「余裕だよ。」
ツ「よかったぁ〜。」
町のほうに出ると、人はばらばらと見受けられた。
咲は特に迷うことなくある店にはいる。
見た感じ喫茶店のようなきも・・・?
「ルッスー。男の子用の服あるよね?1着頂戴ー。」
ツ「狽ヨ?」
ル「は〜い?あらあら〜。咲ちゃんったら!やっとそういうことに目覚めてくれたのねぇ〜!!」
ツ「え?? こ、こんにちは。」
店の奥から出てきた人物に、ツナは目を丸くした。
男のような体つき・・・のわりに、女のような言葉遣いをしている。
「私と同じ魔払い兼服飾。服作りが趣味なんだ。腕はいいよ。」
ツ「へ、へぇ・・・」
ル「んもう!いい人がいたなら言ってくれたらいいのに!」
「違う違う。」
ル「今日はお赤飯よ〜!」
「
違うっていってんだろ。」
ツ「咲ちゃん!?」
ル「あらあら。怖いわね〜。」
「ツナ。
彼はルッスーリア。男だからね。」
ツ「あー、うん。見た感じ・・」
ル「酷いわ〜。ちょっと待ってて〜。すぐに持ってくるわ。」
男にしては似合わぬ動作(腰をくねくね)させ、ルッスーリアはまた奥へと戻っていった。
戻ってきたときには、ツナに似合いそうな服を持っていて・・・早速それに着替え。
咲達は遊園地へと向かった。
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