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「にしても、本当に広い屋敷ね。」
ぐるりと辺りを見回して目に入るのは高そうなものばかり。
廊下も、長くシャンデリアが輝いている。
「アッラウディー!」
「・・・?」
遠くのほうから声がした。
この屋敷に女性はいないはずだし・・・
突然の女性の声に首を傾げ、声のしたほうに向かう。
「アラウディと・・・・」
「ん?」
ア「ハァ。離れろ。」
「もー!久しぶりに会ったっていうのに冷たい!!」
アラウディの腕に抱きついていたのは綺麗な女性だった。
年齢的に、アラウディたちとそう変わらないだろう。
可愛いと言うより綺麗という形容が似合うが、性格はだいぶ違うようだった。
「始めまして。私はサキ。貴女は誰かしら?(にこ)」
「・・・・・猫ッ被り。」
「猫ッ被りさん?」
ア「馬鹿じゃないの。」
「冗談よ(肩竦め)それで、貴女は?この屋敷にメイドはいないのよね?」
ア「ジョットが拾ってきたんだ。」
「ジョット様が?じゃぁ、愛人ってこと?」
ア「秘書だって。面白い性格してるよ。」
「へぇ〜。」
「誰。」
ア「前に言ったよね?ジョットの本妻。」
「あぁ・・・・。私はリル。」
「リル・・・。よろしくね!本性OKでしょ!?可愛いー!!///」
「ひゃっ!」
サキは躊躇なくリルに抱きついた。
突然のことに驚き、思わず声をあげる。
アラウディは呆れたようにサキを見ていた。
ア「何やってるの・・・」
「だって可愛いー♪妹にしたいタイプだよ!」
「ななな。離してください!!」
「あ、ごめん♪ジョット様が拾ってきたってことは私の娘!?(キラッ!」
ア「どこをどうすればそんな考えになるのか理解できない。普通愛人だって。」
「だって、そういうことじゃない?拾い子?このままボンゴレ継いじゃう!?」
ア「黙れ。そして落ち着け。」
「私はいつだって落ち着いてます〜。」
「・・・・よく分からないけど、私もういくわ。」
ア「ジョットの仕事終わりそう?」
「さぁ。」
「ジョット様の仕事邪魔しに行こうかな〜。」
「止めてください。」
「はーい。いくら私でもねっ。バイバイリル♪」
にこりと笑ってサキはいってしまった。
なんだか掴めない人だなとリルはため息をつく。
一気に疲れたような気がした。
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