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ジ「・・・・なぁ、リル。」
「ん?」
ジ「お前、いつも同じ服着てないか?」
ジョットの疑問に対し、リルはキョトンとした顔で
「当たり前でしょ?」
と返した。
ジ「いや、何が当たり前なんだ?」
「だって服持ってないもの。」
G「毎日同じ服って・・・」
「ちゃんと洗ってるわよ。」
ギロリとGを睨み、心外だ とでもいうように冷たい目をする。
だが、そう言う問題ではない。
ジ「それは先に言ってくれ。」
「なんで?」
ジ「最低5着は必要だろう。サキのように買い物好きなのも困が・・・、そう言うことにも気にかけてくれ。」
「はぁ??」
ア「君、常識ないんだね。」
リルは、ジョットが何を言っているのか全然分かっていないようだ。
無理もない。
今までの生活でなら食事ができるだけで喜ぶべきだ。着替えの服と言う考えはとうのに消え去ったのだから。
ジ「パーティなんかもあるし、最低一週間分の服とドレスに下着類が必要だな。」
「いいわよ別に。めんどくさい・・・」
雨「ところがダメなのでござるよ。」
「世間体ってやつ?それ以前に、私もパーティーに出たりするの?」
ジ「まぁ、一人で留守番でも構わないが・・・、普通秘書はついてくるものじゃないのか?」
ジョットの問いにリルは軽く頷いた。
他人の目を気にしなくなってから、そう物事について考えたことがなかったから分からなかったが言われればそうかもしれない。
「まぁ、そうね・・・。」
G「服買いに行くのか?」
「えぇ。給料があるし、買ってくるわ。」
ア「なにいってんの。君の給料で買える程度の服でいいわけないでしょ。」
「・・・・なんか失礼よね、そのいい方。」
雨「けど、本当のことでござるよ。」
「じゃぁ、どうしろって?」
ジ「買いに行くk「「「「(お前)(ジョット)はダメ(だ)!!!」」」」
ジ「・・・・・」
にこりと笑って申し出たジョットに、守護者はもちろんリルも反対した。
目の前の書類やら仕事の状態を見て許可するおばか者なんていないだろう。
ジョットは不満そうだが、日ごろの行いが悪いせいだ。
ア「サキでいいんじゃない?女だし。(あれでも・・・)」
G「そうだな。どんなのがいいか分かってるだろうし。(あんなだが・・・・)」
雨「そうでござるな。けれど、女性だけでは頼りない。」
ジ「だから俺g「「「「「お前はダメだ!!」」」」」チッ。」
ア「まったく。好きあらばサボろうとするなんて最低だね。」
「まったくよ。話してる間にも手を動かして。」
G「んじゃ、リルとサキについてくやつだが・・・・」
とりあえず、ここにいないメンバーではダメだろう。(戦力的にも性格的にも。)
とすれば、することはただひとつ。
ジ「最初はグー、じゃんけんぽん!!」
G「だからお前は行けねぇっつてんだろ。」
雨「といっても、私はイタリア語が苦手でござる・・・。」
ア「・・・・サキと行きたくない。」
「私がなんだって?」
「サキさん・・・。」
いつの間にか、サキが後ろにいた。
元々ここに住んでいるのだからおかしなことではないが、突然の声にリルはビクリと肩を揺らす。
ジ「リルの服を買いに行きたいから付き合ってくれ。」
「もちろんいいよー。女の子の服選ぶの好き♪いいよねー。自分の娘の服選ぶのって憧れなんだ〜。」
「娘じゃないんですけど・・・」
「嫌、ジョット様が拾ってきたんだもん。私の娘だよね!!」
ジ「いいんじゃないか?どうでも。」
雨「投げ出していいことではないでござるよ。」
G「欲しいなら作ればいいだろ子供。」
「嫌!まだまだ青春をエンジョイしたいの!!遊びたいの!まだ守護者コンプリートしてないのー!!」
「コンプリート?」
「えっとね、あと雨月とジョット様とデートすればコンプリートなの。でも、ジョット様は忙しいし雨月は軽く交わすし・・・」
ジ「仕方ないだろ。・・・サキもこういってることだしここは俺が「却下。」・・・。」
G「アラウディ、行け。」
ア「なんで僕が。」
G「ジョットがサボっててもお前止めないだろ。」
それは正論だった。
確かに、アラウディはたとえジョットがサボっていてもめんどくさい、関係ないという理由で放置する。
雨月は特に気にしていないし。
結局、ジョットに真面目に仕事をさせられるのはリルとGだけなのだ。
ア「チッ。」
「久しぶりのデートだね!」
「そっちじゃないほうの君でいくこと。最大限僕からはなれること。」
「まぁ、被るほうは構わないわ。」
「・・・サキさん、器用ですね。」
目の前でコロコロ性格が変わるサキをみてリルはつくづくそう思った。
では、買い物に行ってきます。
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