■■■■ Confession : scene.1
3
じっと彼を見つめる。
いつ見ても、その寝顔は見飽きる事はない。
不意に…もう少し近くで顔を見てみたくなった。
(よく寝てるみたいだし…いいよね?)
柔らかく茂る草の上に手を付き、そぉっと顔を近づけてみる。
アッシュブラウンの、日に透ける髪。
少し日に焼けた肌。
きれいなラインを描く眉。
思っていたよりも長めの睫毛。
それと、形のよい唇…。
――――…。
ロックとの距離が徐々に狭まり、あと数センチ、となった所で突然さらりと肩から髪が流れ落ち、セリスはハッとして我に返った。
(や、やだ…私何やってるのかしら…)
急に自分が今起こした行動に恥じらいを覚えて身を離そうとした。
その時―――、
「………………遅い」
「…え…――キャ…、……ッ?!」
声が聞こえた、と思った時にはもう頭を引き寄せられていて、バランスを崩してロックの上につんのめるように覆いかぶさった瞬間には
…唇を奪われていた。
突然の、息もつかせぬ口づけにセリスは驚いて目を白黒させた。
逃れようにも、彼の手はセリスの頭と背を捕らえて強く引き寄せるから、セリスは身動きすらできない。
口づけは次第に深くなる。
どこか理性を欠いたような、強引なキスにセリスは抗う力まで奪われていく。
すっかり体の力が抜け、逃れる気力もなくなった頃、ようやく唇を開放された。
と同時に、セリスは入らない力を込めて身体を引き離し、へたりこみながら真っ赤な顔で批難した。
「い…イキナリ何するのよ…っ!」
今しがたまで寝ていたはずだったロックは、セリスの目下でしっかりと目を開き、そして寝転んだままの状態でセリスを見上げながら悪びれもなく口を開く。
「だってお前がなかなかしてこないから」
「何を…」
「―――…キス」
妙に熱っぽく見上げる、彼の瞳。
「〜〜〜〜〜ッ!」
赤い顔が更にもう茹で上がるのではないかというほど赤みを増し、セリスはロックに睨みを利かせた。
けれど、そんな熱で潤んだ瞳で凄まれた所で威嚇にすらなりはしない。