愛情とガラクタに囲まれて

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「…………………………」






 ……なに、コレ??





 目の前には、大きな緑の物体。

 その高さは私の背丈以上で、おどけた態度でこちらを見下ろしている。

 何よりそのフザけた顔は…、





「びっくりしただろー!『サボテンダーの剥製』だぜ!セリス欲しがってただろ?」



 誇らしげに笑うロック。
 私は目が点になって呆然とした。



「これほんっとに大変だったんだぞ!コイツ倒すのに何度も…―――」



 もはやもう彼の声も耳に入らない。






 なに?


 
 指輪は?



 指輪じゃなくて、



 『サボテンダーの剥製』?



 私が欲しがってた??








 ……っていうか欲しがってないし!!!










 ―――もう限界だ。


 私の中で、何かがぷつりとキレた。



「んでアイツが針千本投げてこようとした時…」

「―――…にして。」

「え…?」




「…もういい加減にしてぇええええーーーーッ!!!」





 私の叫びは家中に響いた。
 ロックは驚いた表情で竦み上がってる。
 そんなロックに睨みを利かせ、今までの鬱憤をここぞとばかりにぶちまけた。



「あなたはねぇ!そーやってお宝お宝って言いながらいつも色んな物持って帰ってくるけど見てわからないの?!
もうこの家に置ける所なんてどこにもないじゃない!そんなデカイ物何処に置いとくつもりよ!?
狭い家にそんな物ゴロゴロゴロゴロ置かれて一体私はどこで生活しろっていうの?!
それに私が欲しかったのは剥製じゃなくて抱き枕!
全ッッッッ然違うじゃない!そんな物欲しがってないわよ!
あぁもうほんといい加減にして!
ガラクタに埋もれて暮らすなんてもうまっぴらよ!!
――――…!!」



 一気に巻くし立ててからハッとして口を噤んだ。
 慌てて俯いて口を塞ぐ。
 けれどもう時既に遅し。



(どうしよう…ガラクタって言っちゃった…!)





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