■■■■ 戦場のメリークリスマス
6
その苦労を思うと今でも涙がちょちょぎれる。
255回戦闘を繰り返し、雑魚敵相手といえど死にかけた回数は数知れず。
死ぬ程苦労するというのは正にこの事だ。
普段から彼女の為なら命を賭してでも戦うつもりでいるが、たかだかプレゼントの為に命を落とすなどお笑いにしかなりはしない。
というか、もう二度とこういう事は御免被りたい。
と心の底から思うのだが…。
色気のカケラもないプレゼントの品。
それでも瞳を潤ませて喜ぶ彼女。
そんな彼女の姿を見られただけでも、苦労した甲斐があったと言うものだ。
喜ぶ顔を見られだけでも良しとしよう。
(…ホントはミネルバビスチェをプレゼントしたかったんだけどな)
なんて事は、場の雰囲気を一気にぶち壊し兼ねないので黙っておく事にする。
「そうだ。私もね、プレゼントがあるの」
つまらないものだけど…
そう言って頬をうっすら染めながら足元に置かれた紙袋からセリスが出して来たものは、可愛らしい封筒に包まれたカードだった。
「セリスが俺に?マジで?すっげぇ嬉しい!」
ロックはもちろん喜んだ。
手渡された封筒を受け取り、早速開けようと期待を胸に封を切る。
(クリスマスカードか。セリスも意外と可愛いとこあ…る………?)
中身を取り出した瞬間、目が点になった。
「り、リネームカード…?」