voice of mind - by ルイランノキ


 心憂い眷恋16…『voice RUI』


〜RUI Voice of mind〜

 
僕は── この運命を憎んでしまうかもしれない
 
タケルさんのことを思い出しては、どうして貴方ではなかったのかと、悔やんだ。
彼女とは既に出会っていた。僕がまだ幼い頃。
悲しみに暮れていた僕の前に現れたのが彼女だった。
その頃からきっと僕は報われることのない恋に陥ってしまう、避けられない運命だと決まっていたのかもしれない。
 
 
この感情と向き合った日から、僕はあなたの負担にならないようにと隠し通してきました。
かつて見た夢の中で海に沈んだ君と、水面に映った自分ではない、あなたの恋人を思い出しながら。
 
僕はきっと、この想いをあなたに伝えることはないのかもしれません。
一番、大切に思っているから。
あなたの邪魔をしたくはないから。
それが唯一僕に許された愛し方だと思うから。
 
だから
 
あなたが今 僕ではない誰かを求めているのなら
この足であなたを探して、
足を止めて彼に知らせるでしょう
 
あなたを見つけ出せるのは僕であってほしい
あなたに駆け寄れるのは僕じゃないとしても
 
せめて僕に 見つけさせてほしい。
 

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©Kamikawa
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