voice of mind - by ルイランノキ


 花の故郷4…『voice RUI』


〜RUI Voice of mind〜

 
不安で仕方がなかった。
ビデオカメラに自分が映っているなど考えもしなかったけれど。
まさかビデオカメラを落とした瞬間に録画機能が動き出すなど予想出来なかったから。
 
人から与えられた自分のイメージを壊してしまうのは、勇気がいることで、恐怖でもある。
人からどう思われようが平気なら気にすることもないのでしょうけれど。
 
僕は貴女に嫌われることを恐れていた。
 
手を差し延べて、拒否されるくらいなら構わない。
だけど、人として軽蔑されることを、人として否定されることを、恐れていました。
 
誰かを守る為なら悪魔にでもなれる。
そう言えば聞こえはいいかもしれないけれど、ブレーキが効かなくなるだけ。
 
そして事後、自分の恐ろしさに震えがとまらなくなる。
後悔しかありません。
 
 
アールさん、モーメルさんは今、後悔に苛まれています。
悔やんでも悔やんでも、もう後戻りは出来ない苦しみが。選択せざるおえなかった痛みが、彼女を苦しめている。
 
どうか、彼女だけのせいにはしないでください。
誰よりも苦しんでいる貴女にこんなことを言うのは酷かもしれませんが……。
 
話を、聞いてもらえませんか。
貴女の手で彼女の涙を拭ってやってくれませんか。
 
僕は貴女の強さを、信じています。
必ず戻ってきてくれると信じています。
 
だから何度も貴女の名前を呼び続ける
僕らの、貴女の居場所を知らせるように。
 

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©Kamikawa
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