voice of mind - by ルイランノキ


 捨てた想い9…『voice WEISS』



〜WEISS Voice of mind〜


生まれ育った村が燃え盛る炎に包まれた日

まるで、初めて訪れた見知らぬ村を見ているかのようだった。

足を踏み入れた瞬間、

此処はどこなのだろう
自分は此処で何をしているんだ

暫くそう思いながら眺めていた。


村は灰と化して、村の住人、仲間、家族、愛する人……皆焼かれてしまった

その事実を受け入れられたのは、
寝ても覚めても変わらないこの姿と、時が止まったような静けさの中に、灰が舞う村を見飽きた頃だった。

父親の最期の言葉は、思い返したときに初めて聞いた。

あの時は全く耳には入らなかった。
 
だから
父の言葉の全てを思い出すことは出来なかった。
 
 
彼女に気づかされるまでは……。
 

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©Kamikawa
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