■Secret Memory story


地下牢に監禁されてから2日目の約10時間後


私で代わりになれますか


深夜2時、3人の男の目の前で全裸に晒され
金髪美形で一応タイプの男、相沢 翔央(21)に
初めてを奪われた

朝になって目が覚めるまでの時間
9割はカラダを繋がったまま
男性器を抜かれることはなかったけれど
残りの1割は違った

「お前、ほんとにその歳まで
それらしい経験全くなかったのかよ?」

『…あ、あったよ…中1の時』

「へぇ、意外と早くに前戯は経験済か
相手は付きあってた彼氏?」

『…違う…前の、父に…』

空手の道場師範だった逞しい体格の父に
幼い私はずっと夜寝たまま気付かないフリをして
されるがままに身体を弄られていた

なぜか私は、その事実を初めて
監禁強姦魔であるこの男に打ち明けた

母や親友の梨花にさえ話せず
ずっと一人で抱えてきたのに…

「…まぁ俺も似た感じの境遇かもな
幼い頃母親に虐待受けまくって
体中はこの通り跡もくっきり…」

すると彼は、ずっと脱ごうとしなかった
シャツを捲り上げ、背中に広がる痛々しい
火傷の跡のような傷を私に見せてくれた

「小学生の時だったかな、接待だーとかで
オッサンからの性的虐待も受けたりしたよ
だから俺の”脱童貞”の相手は
名前も知らないオッサン、笑えない?」

淡々とした口調で彼が語る過去は
とてもじゃないけど信じ難いものだった

それでも彼は全てを受け入れているかのように
遠い目をしたまま冷静で微動だにしない

それから小中学校へはほとんど通っていない
テキトーな女遊びより本気の喧嘩が楽しくて
暴力沙汰で転校なんて日常茶飯事だったとか

高校生から大人の遊びにも手を染めて人脈を増やし
あの2人とも出会ったらしい

「俺一応10代から”shaman”ってグループで
”如月 零人”っていうミュージシャンの肩書き
持ってはいるんだけどさぁ…あの親が
税金対策で立ち上げた事務所で、テキトーに
結成されたバンド…趣味程度にはやってたけど
まぁプロの実力ではないのは重々承知してる」

あの2人も所属していて3人で活動しているらしいが
やる気は皆ゼロに近いという話
プロのピアノ演奏家を目指していた私からすれば
そんな恵まれた環境が羨ましく思える

『私、ピアノの才能があるって
幼い頃先生達に言われたのが嬉しくて…
今家は離婚して片親で金銭面は苦しいんだけど
頑張って夢に向かって音大通ってる…』

大体時間を気にせず練習できる寮に住む学生が多い
実家通いなら防音設備があったりする例えば梨花の家

試験前なんかは昼夜も関係なしに
皆ほとんど1日中練習に打ち込んでる
深夜はファミレスのバイトで私にはとても時間がない
どんどん他の学生と差が開いていくばかり…

それでも親友の梨花は昔から変わらず接してくれる
大人しくて一時期虐められてた私を
自分のグループに入れてくれたり
幼かった私はあの時どれだけ救われたことか

「お前…専攻ピアノ?だっけ?譜面読めるんだ」

『そりゃあ当たり前だよ!だけどね…
やっぱ音大入って”才能”に心がポキッと折れた感じ
それまではピアノ教室や小さいコンクールなんかじゃ
それなりに持て囃されてきたんだけど
とてもそんな狭い世界じゃなかったっていうか…』

「ふぅん、じゃあ音大辞めんの?」

『今真剣にね…作曲科に移ろうかなーって悩んでる』

「へっ、お前曲作れたりすんの?」

『う、うん…一応、本格的な電子機器とか
使ってやる程度まではいかないけど、鍵盤あるし』

「へぇーすげぇな!俺が一応曲作り担当って
設定だけど、思いっきしゴーストだしなぁ…
なんかいい感じの曲作ってみてよ!」

『え…っ?』

「出来たらちょさくけん?として
それなりの額は払ってやるからさ
それまでお前は俺の縛り…ってことで」

『ちょ…えっ?いや、私が
プロのミュージシャンに頼まれて曲作り?!
ひゃーどうしよう…っ!!!』

どうせただの冗談、単なる口約束
ここから出たら知らんぷりされる
おそらく一生交わることのないの人間の言葉なんて

犯罪者と被害者、主人と奴隷、飼い主とペット
所有物だの玩具だの家畜牝犬だの散々罵られて
この後もどうせすぐに犯される

私にしてみたら作曲デビューなんて
夢のまた夢物語で…裏切ったとか裏切られたとか
そんな次元の話じゃないと思ってた


なのに、どうして急に裏切られたとか言い出すの…


あなたは何を思いますか






prev mokuji next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -