セツカ×セイ
タイトル通り、セフレ関係にある二人。
なんでもありな人向け

 いつからだっただろうか、こんなにも不毛な関係を築いてしまった。自分で自分に笑ってしまうくらい。
「オイ、何笑ってんだよ」
「グッ…あ”、は、いや、なんでも、なッ…」
いや、築いてしまったというよりは築かせてしまったというか。身長は相手が少し大きいくらい。筋肉量は大して変わらない。俺よりも二つ年下の男。第三師団団長、セツカ・オウシュウ。第七師団団長の弟で、王位継承権第二位という絶大な権力を持っている。ちなみに、俺が怖いものは、権力だ。
「ッ、明日合同演習なンッ…だから、ァ、ちったァ手加減しやがれ…」
「ア? まだ余裕だろ」
そりゃお前はな! こちとらてめえにケツ貸した次の日は使い物になれねえんだよ…!

 どうやらこの男、恋多き男のようで学生時代はうちの隊長に、今じゃ第三師団副団長様に想いを寄せているらしい。俺にとってはどうでもいいが、大分拗らせている。どうにもならなかった時はこうして俺を呼んで性欲と苛立ちを発散させているようだ。俺としても性欲の発散になっているので文句だけ言えるわけじゃないけれど。
 しかし、こうして何度も何度もしつこいと明日動けなくなるというのに、随分と身勝手な男だ。確かうちの隊長と同い年だから、二十歳になったばかりか…? 成人したばかりのガキはこうもガキなのか?

 ぐんと奥に肉棒が挿り込み、シーツを指で掻きむしる。体格がデカい分、ブツもデカい。腸を押しつぶす勢いで突かれ、苦しさからうめき声があがる。
「ぐっ…あ”、ぐ…ッ、ッ…ぐ、」
「イくぞ…! ッ…!」
コンドーム越しに男根がビクビクと震え、吐精されている感覚がわかる。射精しているくせに、未だゆっくりと抽挿され、自身の腰が揺れているのを自覚してしまい、ピタリと身体を止める。
「オイ、もイっただろ? ッ、早く抜けアホ」
後ろで息を整えている男を睨め付けた瞬間、はて?という顔をされる。
「ア? お前まだイってねえだろうが」
ずぷ、ぐぷぷ、とまた粘膜をかき分けて挿入してくる熱に思わず上半身をベッドに預ける。
「は、ッだーから、明日えんしゅ、だって…ッ…」
この絶倫遅漏野郎め…! 自分が欲を発したからか余裕があるのだろう、前立腺ばかり意地悪く突かれ、枕にかじりつく。
「ッ、…!ッ、ッ…フーッ…!、!」
どんどん絶頂へ、絶頂へと連れていかれる。ガツガツと男の熱全てが前立腺のみを刺激している。
「ッ〜〜!、ぁッ…ッッッ〜〜!!」
人が絶頂を迎えた瞬間に、グンッと奥まで肉棒を突き入れて再び射精された。コイツ、ホント、最悪だわ…。こちらが絶頂の余韻で震えているというのに、力尽きて体重をこちらに預けてきた。その瞬間ナカのモノもさらに奥に挿り、短い喘ぎを口の中でなんとか飲み込む。
「ッ、お、まえ…! はやく退け!」
「チッうっせえなあ」
『うっせえなあ』!?!? 聞き捨てならない言葉が聞こえたが、怒る体力もない。ベッドを汚したくなかったから、自分にしていたコンドームを外して口を縛ったものをティッシュにまとめてごみ箱に捨てた。
「あ!? またテメー、ティッシュに包まないで捨てたろ!」
「ア”? っせーな…てめえは母ちゃんかよ…」
「ちげーわ! マナーだよ!」
男はしぶしぶと自分が一度捨てたものをティッシュに雑に包んで捨てた。しばらくすると、浴室からシャワーの男が聞こえてくる。…普通人の部屋なのだから、借りるという一言があったって良いはずだろう、礼儀も知らんガキめ。そのくせ、食べ方は綺麗なのだから、さすが王族と言ったところだろうか。…余計に腹が立ってきた。

 さっさとその想い人とやらと結ばれて、俺の部屋に来なくなればいい。仕事では団長という暴君に虐げられ、プライベートではこうして俺様な年下に部屋を蝕まれる。最悪過ぎるだろう。やめていたはずの煙草をベッド脇にある棚から出して、火をつけた。
「俺には寝室で吸うなって言うのに、お前は吸うのかよ」
「この部屋の主は俺だ、嫌なら自分の部屋戻れ」
そう言うと、横から煙草を奪われる。
「てめえ…」
腹が立つほど煙草が似合うもんだから、怒る気が失せてしまった。しょうがない、自分は怒りが持続するタイプではないのだから。溜息をついて、痛む腰を引きずってシャワーへと向かう。…明日シキに察されて「程々にしとけよ」とか絶対言われたくない。兄弟揃って、手がかかる。

 どうせ、奴もハッピーエンドを迎える。相棒であるシキも幸せそうだし、良い事だ。

 「…俺も恋人、作ろうかな」

 まあ、そう言っても簡単にできるわけじゃないけれど。まずは、寝室で煙草を吹かす男をどうにかしなくてはならない。気が重たい。


【作者コメント】
セイさんって、不憫そうだしオカンだし良い人だからこそ、絶対モテると思うんですよね。世の女性が黙ってませんよ、本当。身長も大きいし短髪だしちょっと顔つきも怖いから、最初は怖がられるんだけど話してみたら優しいし、イケメンだし、あっ…作者がときめいてます。
そして、セツカさん。彼も結構不憫な俺様な気もしますが、セイさんのオカン具合にぐだぐだに甘えて、クズと化してほしいですね。
まあこの二人に恋愛感情はなく、ただ生ぬるい気持ちい居場所って感じ…? お互いに恋人ができたらさっと身を引く感じですかね…?
すみません、この二人好きなので多弁です。(笑)

リクエストありがとうございました!


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