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マルコと幼児主※現ぱろ

2010/06/15 15:02

※現ぱろです。連載主の性格と容姿ですが、まったくの別物な感じです。もちろんマルコと親子ではありません。








真っ暗な窓の向こう。揺れる吊り革。終電間際の、けれど終電ほど人のいない閑散とした車内。
そんな、虚しさすら感じそうな景色の中に、まったく似つかわしくない小さな子供が現れた。
隣の車両からやってきたそいつは、7歳くらいの男の子で、どういうわけだろうか、座席の角に腰掛けているおれの隣にちょこんと座った。

見たところ、一人のようだ。
こんな時間にこんな子供一人でなんで電車に乗っているんだ、とか思ったりもしたが、まあ、おれには関係のないことだ、と自己完結をして寝不足で腫れぼったい目を閉じた。

「ねー」

「…」

「おじさん?」

どうやらおれを呼んでいるらしい。
たしかにこのぐらいの子供からしたらおれなんかはおじさんなんだろうが、その呼称にはまだ抵抗をさせてほしい。
しかたない。

「…お兄さんだよい」

閉じたばかりの目を開いて、子供の方を向く。

「わかったー」

のんきな顔をして笑う子供につられるように、思わずおれも笑ってしまう。

「おにーさん、なんて名前?」

「マルコだよい」

「マルコー」

「呼び捨てかよい」

まさか呼び捨てにされるとは思っていなかった。

「マルコはしごと?」

「まあねい。その帰りさ」

「ふーん。おつかれさまです」

「ははっ。ありがとよい」

なんだか生意気なガキんちょの頭をぐっしぐしと撫で回す。嬉しそうな笑顔がなんとも情けない感じを漂わせている。
最近よくいう草食系男子ってやつなのかもしれない。

ふと気づくと、車内にはおれと子供しかいなくなっていた。しかもおれの降りる駅も次だ。

「さてと、おれは次の駅で降りるからねい」

この子供との妙なふれあいは思った以上に癒し効果があったようだ。不思議と疲れきっていた身体が軽くなった。
こんな時間に子供一人置いていくのは心配だが、連れ帰ったりしたらそれこそ捕まる。
だから、ここでさよならだ。

ほら、もう、駅に着いた。

「じゃあねい。気をつけて帰れよい」

「うんー。またね、マルコ」

手を振る子供に、手を振り返して電車を降りる。
扉の向こうでまた、子供が笑った。

なんとなく、電車が見えなくなるまで見送って、いつもより少し軽い足取りで家への道を歩きだした。




なんちゃって現ぱろでした
いろんなものが振り切れてつい書いてしまいました…すいま…っ…orz
裏設定として、チビくんは実はマルコのお家のお隣りに越して来る予定だったりします。そんでもって、シャンクスが叔父さんだったりします
まったくいかされていない設定^^



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