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連載主と女形隊長

2010/06/04 08:19

※コミックのネタバレを含みます!
未読の方はご注意くださいませ!
そして捏造もたっぷりです^^








「お…?」

食堂でコックと二人、楽しそうに談笑している小さなこどもを見つけた。こどもの周りを一応見回して見るが、いつも傍にいる過保護な保護者の姿は見当たらない。
これはチャンスだ、と思わず笑って、おれはこどもに近づいた。

「ちっこいの」

「?」

くるりと振り返ったこどもの顔が嬉しそうに綻んだ。

「いーねえちゃん」

「あっはっは!そうそう。いー姉さんだぜ」

小さなまあるい頭をかいぐりかいぐり撫でて、こどもの隣に腰掛けた。

「イゾウ隊長、なにか飲みますか?」

「ああ。茶ァ頼むぜ」

厨房に入っていくコックに礼を告げて、隣のちっこいのの手の中にあるマグカップに目をやった。

「なに飲んでんだ?」

「まっちゃ!」

「抹茶あ?」

「うん。のむー?」

「一口くれっかい?」

「どーぞ!」

ニッコリ笑ってコップを差し出したこどもの手からマグカップを受けとって、一口飲む。

「っぷ!こりゃ抹茶じゃねえよ。甘ぇ!」

「ふへっ。あまくしてもらったー」

「そうかい」

そういえば、このこどもは甘いのが好きだとか保護者が言っていたっけか。
そういえば、その保護者はどこに行ったんだろうか。

「ちっこいの」

「うんー?」

「お前の保護者はどうしたんだ?」

「まるこ?」

「ああ」

「かんぱんそうじのかんとくするんだってー」

「へえ!楽しみだねえ」

「なにがー?」

「ふふっ。マルコは厳しいから、きっとピッカピカになるまで掃除するだろうな」

「そっか!たのしみー」

そう言ってふにゃりと笑う。
小動物かなんかみたいなその姿に、おれは思わずぐっしゃぐしゃに頭を撫で回した。

「ちっこいのはかわいいなー!」

「わっ!いたいよー」

それでもニコニコ笑っているのが可愛くて、今度は頬っぺたを指先でつまんだ。柔らかい頬っぺたが、みにょーんと伸びる。

「いひゃーい」

「なにやってんすか、イゾウ隊長」

ちょうどタイミングよく戻ってきたコックの手には、急須と湯呑みが3つ乗ったおぼん。しかも、茶菓子まで用意されていた。

「気が利くじゃないか」

「へへっ。でしょう?」

「あまいのー」

「じゃあお茶にしようか」

「わーい」

嬉しそうに笑ってはしゃぐちっこいのにおれも笑って、あたたかなお茶に口をつけた。


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