ノンストップ彼女
「Wデートするわよっ!」
「「…は?」」
ノンストップ彼女
「いきなり何なんだ、ブルー」
「だって、せっかくシルバーとイエローも付き合い始めたのよ?一緒に行きたいじゃない!」
突如高らかに宣言した少女──ブルーは言った。 そう、彼女の言うことはいつも“提案”ではなく“宣言”…つまり、拒否権はない。
「あの…せっかくですし、お2人とも忙しいでしょうけど…ボクも、行きたいなぁ…なんて」
先程の少女とは逆に、もうひとりの少女──イエローが言う。
まさか、こいつも乗り気とは…… グリーンは密かにため息をついた。
「ね、シルバー、いいわよね?」
「シルバーさん…ダメですか?」
グリーンは手強いけど、シルバーなら断らないはずよ!と言わんばかりにブルーはシルバーに集中攻撃をかけた。 それにイエローも便乗するのでシルバーはたじたじだった。
「え、あ、その…えっと」
「シルバーさん…」
「…ブルー、イエローに変なことを吹き込むな」
「な…何のことかしら」
グリーンはまたため息をひとつ。
「しらばっくれても無駄だぜ。あれはお前の常套手段だろうが。…まったく」
「あちゃー…やっぱわかっちゃうか」
「当たり前だ、何年付き合ってると思ってるんだ?」 それもそうよね、と少し照れるブルーと初々しいカップルを横目にグリーンは続けた。
「もうすぐリーグが開催されるから、休みは一ヶ月後までない。その休みでいいなら俺は構わないが…シルバー、どうだ?」
「……あんたがいいなら」
「……決まりだな」
フ、とグリーンが微笑むと、ようやく意味を理解した少女たちが声をあげた。
「…いいの!?やったぁ!」
「ありがとうございます!」
楽しみにしてるわね、忘れないでくださいよ、などと言いながら、少女たちは嵐のように去って行った。
「………あんなにいきいきしたイエロー、初めて見た…」
「それはオレもだ。…で、シルバー」
「?」
改めて呼ばれ、首をかしげる。
「…協会に申請してトキワジムのジムトレーナーになれ。理事にはオレから言っておく」
「…はぁ」
「……オレは今までの分があるからまだいいが…お前、稼いでおかないと間違いなく破産するぞ」
その次の日から、最強のジムリーダーの元に最強のジムトレーナーがつくようになったという。
卯月さんから相互記念に頂いて来ました。 やっぱり言い出した姉さん。いや言って貰ったんだけど。笑 緑青前提の緑+銀美味しい。
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