頂き物 | ナノ

レーザービーム





「ね、私そんな変かな」

アイリスはおどおどしてる。

たまには服も見たいということで、男2人を荷物持ちにしてショッピングを僕らはしてた。いつもの動き回るための旅の服ではなく、しとやかなワンピースを身に纏い、裾を持ったりぱたぱたしたりして気を紛らわしているみたいだ。
サトシが開口一番に馬子にも衣装、など勘違いを披露したため、子供ねえと彼女は怒鳴るだけ怒鳴りついて僕を引っ張り街に出た。

「どうして?」
「だってデントさっきから何も言わないじゃない」

いやー、それは君が可愛すぎるからだよ!だなんて言えない僕は、軽く謝って似合っていることを告げた。するとアイリスは嬉しそうに微笑み、くるりと一回転してみせた。
ワンピースの裾がふわりと風に揺れて膨らんで、そのときのアイリスはアイリスじゃないくらいお淑やかだった。女の子から女性の笑顔に変わった彼女を見て、不服にもどきりとしてしまう。

「本当に似合う?」
「うん、そんなに確認したいならサトシを呼んだら?仲直りも兼ねてね」

焦った僕は早口でそういう。しかし今度は彼女が慌ててそれを阻止する声をあげた。駄目、だとか嫌、だと、いつものアイリスに戻ってきた気がして少しほっとする。
面白くて可愛いけれど、凄まじい勢いで言葉を並べたてるものだから、どうしてだよと聞いてやった。するとどうだ、次は茹でダコみたいなアイリスが出来上がるじゃないか。

「だって、」
「うん」
「で、デートしたかったんだもん」

え、と言ったころには、動機が凄くて耳まで赤くて。何とか分かったと声を絞り出したときには、既に手はぎゅっと繋がれていた。







(ストレート、ドキドキする!)




煎餅さんから頂きました!
はかいこうせんよりこうかばつぐんなレーザービーム食らいました。煎餅さんに殺される!笑
改めて、相互有難うございました!






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