反則はお互い様
「………何してるんだ。」
「あ、ありがとうグリーン!」
「質問に答えろ。」
今日は珍しく仕事が無く、普段はジムに来るブルーも俺の家に来ていた。 別に来るだけなら問題ない。
問題なのは、こいつの行動だ。
「見て解らない?」
「……解るから余計訊かずにはいられないんだが。」
何故か楽しそうなブルーが着ているのは、俺の服だった。 どうやら俺が飲み物を用意しに行っている間に着替えたらしい。 ただでさえブルーは華奢な上に男と女の体格差もあり、全体的にぶかぶかしている。
上は俺の普段着の黒い半袖で、サイズが大きいせいか鎖骨がいつも以上に見えやすく、ワンピースのような長さに見えた。 おまけに下には何も身に付けていない。
無意識か嫌がらせかは知らないが、とにかく勘弁して欲しい。
「………何で下に何も履いてないんだ。」
「ズボンも履こうと思ったのよ?でも着てみたらサイズが大きくて履けなかったの。」
「…………。」
言葉も出ない。ならそもそも俺の服を着るな。
「ブルー、お前…」
「うるさい女だ。」
「……俺の真似か?」
「そうよ、似てたでしょ?」
「阿呆。」
飲み物を持ってきたトレイを適当な場所に置いてため息をつく。 誘ってるようにしか見えないが、こいつがそういう意図を持っているようには見えない。
楽しそうに笑うブルーを見て、俺は改めて質問した。
「何でそんな格好…」
「んー、何となく?」
「何となくでか。」
ふざけるな、こんな何となくがあって堪るか。 俺はそう言いたいのを耐えて、またため息を1つつく。 ブルーは変なところで天然だから困るのだ、こういう時に。
「グリーンがいつもこれ着てるから、どんな感じなのかしらって。」
「別に特別じゃないだろ。」
「うん、普通。でもね?」
無邪気な笑顔を見せて、ブルーは言った。 ああ、大体この後の展開が想像出来る。 ブルーがこうして一番自分らしい笑顔を見せる時は大抵、
「グリーンの服って、何だか不思議なのよ。グリーンに抱き締めて貰ってる気がするの。」
可愛い、ことを言って、
「…なら、俺に言えば良い。」
俺が我慢出来なくなって、
「きゃ、……は、え?ちょ、ちょっとグリーン!?」
ブルーを抱き締めて、そのまま押し倒す流れだ。
「今回はお前が悪い。…いや、全体的に悪いのはお前か。」
「な、何よそれ!?」
「うるさい、俺の服を返せ。」
少し戸惑うような表情をした後、ブルーはまたいつもの何か企むような笑みを浮かべる。 普段は頭が切れる癖に、変なところで状況把握が出来ない奴だ。
「いやよ、って言ったらどうする?」
「無理矢理脱がす。」
「…………はぁ!!?」
どちらにせよ展開は変わらない。 こうなった時点でブルーは負けだ。いや、俺が負けなのか。
俺の答えを聞くと、ブルーの白い肌が紅く染まった。 露出が高いのもあり、普段より解りやすい。
「ば、ばっかじゃないの!?」
「俺は至って真面目だが?」
「あたしの知ってるグリーンはそんなこと世界が崩壊しても言いそうにないわよ!」
「なら新しい俺を知っておけ。」
良かったな勉強出来て。と俺が言うとブルーはこれ以上ないくらいに顔を赤くした。
「グリーン、ずるい…。」
「お前に言われたくない。」
いつもいつも、反則なのはお前の方だ。 そういう意味も込めて、俺はブルーに口付けた。
君のすべてが反則です
さぁ、ずるい君にお仕置きしようか。
白石由様から頂きました!
妄想想像するだけで姉さんがエロい件。 兄さんだって男の子!
prev next
|