悪戯の仕返し
「グリーン!!トリックオアトリート!!」
「む……テーブルの上にクッキーがあるだろう。それでも食べていろ。」
「………はぁ。」
何だか最近の彼は冷たい。
今日だってハロウィンという事でわざわざ猫耳をつけてまでお菓子を頂戴しに来たというのに、彼はこっちを見向きもしないし…
「……もうやんなっちゃうわね!!」
「…………。」
あたしのぼやきも軽く無視する彼。 そんな彼に軽く苛立ちながらも、テーブルの上に置いてあったクッキーを口に含んだ。
そして、1つ悪戯を思い付いた。 お菓子は貰ったけど、彼から直接手渡された訳じゃないから良いだろう。
「グリーン?」
「何だ…んむ、!?」
彼の邪魔をしてやろうと考えて、自分の口に半分加えたクッキーの残り半分を彼の口の中へ押し込んだ。
「………。」
「んふっ」
クッキーを加えたまま見つめ合う。 やっと彼があたしを見てくれたようで少し嬉しかった。
「……馬鹿な女だ。」
「え?……んっ、」
彼の口から聞こえた言葉に思わず加えていたクッキーから口を離してしまった。
そして、クッキーの代わりに口の中へ入ってきた彼の舌。
「んっ…グリーンっ、」
「ん、……悪戯の仕返しな。」
悪戯を仕掛けたつもりが、逆にやり返されてしまった。
「なっ…!!ば、馬鹿グリーン!!」
「ふっ、うるさい女だな…」
頬を染めて怒るあたしを見て、不適に笑う彼は誰にも負けないくらいの悪魔だと思うのであった。
悪戯の仕返し
…今度から彼に悪戯するのはやめておこうと、心から誓おう。
梅凪さんちのハロウィンフリーを掻っ攫ってきました! 周りに人が居なければ兄さんだってこの位やってくれると信じてる。
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