悪戯も程々に
「さて、問題です。」
「……なんだ。」
「あたしはブルーちゃんですが、いつものブルーちゃんではありません。さぁ、何故でしょう?」
「……。」
「え、ちょ、ねぇってば!?」
突然上がり込んできたと思えば、そんな分かりきった質問。
きっと、彼女が俺に言わせたいのは"化粧をしてる"という事。
しかし、ここで素直に"化粧をしているから"と言ってしまえば彼女の思う壷だろう。
だから俺は、あえて答えない。
「グリーンっ…!」
「………。」
中々口を開かない俺を空色の美しい瞳が覗き込む。
その瞳は本当に不安そうだ。
「ねぇ、もしかして気が付いてるけど、これが似合わないから喋らないだけ?」
「……。」
「……そっか。あたし、これ落としてくるわね。」
「ブルー、待て。」
涙を浮かべた悲しげな表情をして、この場から逃げ出そうとする彼女を抱きしめて動きを封じる。
「…何よ!?離して?!」
「嫌だ。」
「何でよ!!こんな変な顔嫌なんでしょ!?落としてくるんだから離して!!」
腕の中でバタバタと暴れる彼女を落ち着かせる為に、耳元で囁く。
「…誰も、お前が化粧してるとも化粧してるお前の顔が嫌だとも何も言ってないぞ?」
「なっ…!!?」
「何かご不満でもありますか?ブルーお嬢さん?」
少し口角を上げて問えば、顔を真っ赤にした彼女がいた。
「あんた、狡いわ!!からかうのはあたしの専門の筈よ!?…グリーンの馬鹿!!」
「まぁ、たまには良いだろ?…普段のお返しだ。」
「…〜っ//」
更に林檎のように顔を赤くした彼女。 怒りなのか恥ずかしさなのか、口がパクパクしていた。
「ほら、そんな顔してたら…」
頬に触れるだけの口付け。
「……キスするからな。」
「…ちょ、した後に言わないでよ!!馬鹿じゃないの!?」
「ふっ、うるさい女だな。」
「うるさくないわよ馬鹿っ!!」たまには俺からからかってやろう「もう、グリーンはからかうの禁止!!厳禁よ!!」
「……はぁ。」 梅凪様から頂きました! 姉さんはすっぴんでも全然美人さんなのだから化粧なんていらないよ! それにしても、化粧して変な顔って…面白メイクが浮かんで消えないんですが。
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