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voiceless conversation




食後、片付けをする彼の後姿をぼんやりと眺めていた。
サトシは食べ終わるや否や特訓だ!と叫びながら何処かへ行ってしまったので、今此処に居るのは私と彼。
耳に聞こえるのは風が木の葉を揺らす音と食器同士がぶつかり合って立てる音だけ。
満腹ですやすやと眠っているヤナップとキバゴを見ていると、こっちまで眠くなってきて欠伸を一つ噛み殺す。
しあわせだなぁ、なんて思いながら、口ぱくで彼に向かって言葉を紡ぐ。

「      」

すると、不意に緑の瞳が此方を向いた。
それに吃驚して眠気に引き摺り込まれつつあった意識が急速に浮上する。
あれ、声に出してたっけ!?

「どどどうしたの?」

…動揺して噛んでしまった。

「…いや、アイリスに何か言われたような気がしたんだけど」

気のせいだったかな、と首を傾げるデントに私は猛烈に首を縦に振った。
少し肩を竦め食器に向き直る彼に私はほっと息を吐く。
聞こえていた、わけではないらしい。
未だバクバクいっている心臓を押さえつけて、少し離れたところにある背中にバカ!とこれ又口ぱくで理不尽な怒りをぶつける。
するとくしゃみが二回聞こえてきた。


voiceless conversation


彼は実に高性能な耳を持っているようです。


ファンタジアの鈴蘭様へ。相互有難うございます!
くしゃみが二回は悪い噂とか言いますよね。
お持ち帰り用↓





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