共同戦線
水滴がガラスを激しく叩く。 しかしその音など聞こえない程の音が部屋には溢れていた。
「違うって、そこ右右!」 「そんなこと言われたって…あ!」
何とも間の抜けたメロディーと共に画面にはゲームオーバーの文字が。 コントローラーを握っていたクリスは眉間にしわを寄せた。
「お前本っ当下手だな」 「し、仕方ないでしょ!普段ゲームなんてしないんだから!」 「へいへい、そうだろうよ」
ムキになって怒るクリスをゴールドは適当に宥める。 クリスはというと、再びタイトルに戻った画面に目を向けていた。
「え、未だやんの?」 「当然でしょ、やり始めたんだから最後までやるわよ」
こんな所まで真面目かよ、とゴールドはばれないように溜息を吐いた。 しかしクリスの腕前ではゴールまで行くのに何日かかるやら。 どうしたものかと考えていた時、ふと良いアイディアが浮かんだ。 クリスの背中側に回り、後ろから一緒にコントローラーを握る。
「え!?ちょ、ゴールド!?」 「お前だけでゴールとか何日かかると思ってんだよ」
ご尤もな意見にクリスは押し黙る。 ゴールドは何時ものようにニカッと笑って言った。
「一緒にやろうぜ」
そんな申し出に、クリスは笑って頷いた。
共同戦線
よ、良く考えたら手触られてるし…ち、近い…!
どーした、顔赤いぞ。
な、何でもないわよっ!
相互記念、契杜様へ! お持ち帰りようにどうぞ↓
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