スイート・サニー・デイ
土砂降りの雨が窓を叩いているのを見ながら、ブルーがぽつりと呟いた。
「レッドは良いなぁ」
意味が判らずに二、三回瞬きをする。 考えても俺の頭じゃ判りそうに無いので、素直に何が?と聞き返した。
「だって、あたしよりアンタの方がグリーンと近い気がするんだもの」
男同士の友情みたいな感じでさ、とブルーは笑った。 でもその笑顔が何処と無く寂しそうに見える。 普段は気丈に振舞っていても、やっぱり俺達とは違うんだと実感。
「そんなこと無いって」 「あるわよ」
俺の否定の言葉をブルーはあっさりと打ち消す。 だが、今回はあっさりと引き下がる俺じゃない!
だって、お前は知らないだけなんだよ。
「何をよ」
何となく怖いので、ジト目で睨んでくるブルーから視線を逸らす。 そして俺は口を開いた。
「だってグリーンの奴、お前の話してる時が一番楽しそうだぜ?」
嘘、と呟く声に俺は嘘じゃない、と返した。 実際ブルーといる時のグリーンがよく笑うのを俺は知っている。 あの鉄面皮なジムリーダー様が、だ。
「だーから、俺よりブルーの方がアイツの近くに居るって」
距離的にじゃなくて、感情的な問題で。 そう言ってやると次第にブルーの顔が真っ赤になってくる。
しかもタイミングが良いのか悪いのか、部屋に話の中心人物が入ってきた。
「ジムは溜まり場じゃないと何度言ったら判るんだお前らは」 「良いだろ別にー。仕事の邪魔してるわけじゃないんだし外は天気悪いし」
グリーンの嫌味(いや正論なんだけど)を聞き流す俺に対して、ブルーはそれどころじゃないらしい。 何か若干挙動不審だ。
「…ん、お前具合でも悪いのか」 「な、ななな何でもないわよっ!」 「顔真っ赤だが」 「うるっさい放っといて!」
ほらやっぱり。 お説教より先に心配してるだろ。
お邪魔虫になりそうな俺はこっそりと部屋を出た。 外は何時の間にか快晴。
とても気持ちの良い一日だった。
Title→THREE WISHES様
キリリク:緑青+α 赤いお兄さんはこんな空気読める奴じゃないとか言わないで下さい。
リクエスト有難うございました。
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