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「ほら、有志もジャケット脱いで」
「っ……!!呼び捨てするなって言っただろ…」
「だって手ぇ繋いでて父さん、って言うの変だろ。親子だってバレたらイチャつけないよ?」
「………」
う、と。ベッドに座り眉間にシワを寄せる有志。
葛藤しているようだ。
「…でも、父さんがそんな嫌だったら…言わないよ」
「……嫌……な、わけ…」
智希と外で手を繋いで歩きたい。
でも名前を呼ばれるのは恥ずかしい。
ってか息子に下の名前で呼ばれるなんて慣れるわけ…。
「ほら、ジャケットシワになるよ」
「あ、ありがとう…」
智希はため息を付きながら有志に近づき、ジャケットを脱がしてやった。
持ってきていたハンガーにかけて再びクローゼットへ持っていく。
「………そうだよな、こんな時ぐらい楽しまないと」
「ん?なんか言った?」
服を直し終えた智希は、優しい笑みを浮かべながらベッドへ戻ってきた。
ギシっと音を立て有志の隣に腰を降ろし、にっこり顔を覗き込む。
「…いいよ、ゆ、し…って呼んでも」
「え?」
「ゆ、有志って………呼んで…」
「っ……今の、すっげーキた」
「智っ」
バサっと押し倒しキスを落とす。
有志の口端から唾液が溢れる程激しいキスを。
「ふっ…んんっ智っ…んっ…んんっ!」
「っ…ん……有志…」
「っ…!!」
ゾクリと、キた。
「やめっ…」
「有志……っ…有志」
名前を呼ばれる度に下半身が疼く。
耳を伝って脳を刺激し、甘く痺れさせていく魔法の言葉。
「智っ…んんっ…来たばっかなのに……んっ!」
「だって…まじ…やばいもん…可愛い…有志」
「んんっ!」
何か媚薬を飲まされたんじゃないか。
と、思うほどの即効性。
「……有志…の、俺の腹に当たってる」
「っ…!違っ…!」
「違う?じゃあ見てみよ」
「ちょっ!」
ジーッっとチャックが降りる音が聞こえる。
有志は青ざめながら必死に止めようとするが、今までこういった状況になって智希を止めれたことは一度もないわけで。
簡単に両手を捕まれ頭の上で交差しベッドに押し付けられると、智希は開いた手で器用にチャックの中からソレのみを取り出した。
情けない事にプルン、と上を向いて元気よく弾きだされる。
「うわ、もうこんななってんの?」
「みっ見るんじゃ…ない!」
有志は体をくねらせモジモジと抵抗するけれど、股の間に智希が入っている為足を閉じることはできず逆に煽っているようだ。
「……そんな…名前呼ばれるのよかった?」
「やめっ…やめなさい!智希!!」
有志の耳元に口を近づけ甘く低い言葉で興奮を高める。
情けなく天を仰いでいる有志のソレには触れず、頬にキスを落としながら服の上から胸の突起を押す。
「あっ!」
ニットの上からでもわかる程有志の胸の突起は尖っていて、擦るだけで体は揺れ下半身のソレは肥大していく。
グリグリと親指で押しつぶすように刺激し、震える耳たぶをぺろりと舐めた。
「あぁっ」
「…有志……胸、気持ちいい?」
「っ!……もちっ…気持ちっ」
「直に触ってほしい?」
「さわっ…触って…!」
スルスルと服の中に手を這わせると、胸元まで服を引っ張って持ち上げ震える胸の突起をあらわにした。
充血したように赤く、痛い程尖っている。
最後まではしなくても、毎日の様に智希に弄られすぎた所為か有志の胸の突起は前よりぷっくり膨らむようになった。
智希に改造された体は、胸だけでなく全身に行き届いている。
「可愛い」
「あっ…あぁっ!」
片方の胸の突起を口に含み舌で転がす。
何度も何度も転がし、時々きつく吸い上げる。
「あぁっ!」
すると有志の腰が浮き、イったかと思うほど高い声を上げ何度も首を振って悶えた。
下半身を見るとさらに大きくなっていて、先走りがこぼれ始めている。
これでは服が汚れてしまう、と智希はベッド棚にあったティッシュを4〜5枚取り先端に巻きつけた。
「…いいよ、イって」
「あっ…待っあっ」
先端にティッシュを置いたまま器用に有志のソレを大きく擦り始める。
「有志…」
「あっやっ……いやっ…」
名前が、さらに熱くさせる。
「こっちも舐めてあげるね」
「んんっー!!」
ソレを擦りながら尖った胸の突起を再び口に含むと、ピンっと有志のつま先が伸び体が硬直した。
もうイくな…。
有志のイく瞬間も把握できるようになった智希は、胸の突起を甘噛みし刺激を与えていく。
「ダメっダメっ…出っ…出るっ…!」
グジュ、グジュ、っとティッシュの湿る音も大きくなってきた。
もう、限界だ。
「……イって…有志…」
「あぁっ!」
素早く擦り上げながら何度も耳元で名前を呼ぶと、有志は涎を零しながら腰を打ち付け絶頂を迎えた。
「はぁ…はぁ…」
「……っ…ててっ」
「…はぁ………どうした?」
智希は白濁の液が零れてこないよう丁寧に有志のソレを拭いていると、眉間にシワを寄せてうずくまった。
少々苦しそうだ。
「ちょっと…下半身が、ね……」
「………」
ヘヘ、っと照れた笑いで誤魔化そうとする智希。
有志はそれを見てはぁ、と大きくため息をついた。
「……ほら、出して」
「え」
「早く。…行かなきゃいけない所あるし…う、後ろは無理だけど……口でシてあげる」
「いいの?」
「…いいから出しなさい。そのかわり、絶対下の名前呼ぶな」
「えー呼びたい」
「俺がまた勃つからダメ!」
「……くくっ」
「わ、笑うな!」
「準備出来た?」
「ん」
数分もすればお互い元通りのカタチに戻り、何事もなかったように準備を進めた。
この後は時計台に行って、晩ご飯を食べる。
とりあえず旅行鞄をベッドの下にそのまま置いて、ヒップバックに財布と携帯詰め立ち上がる。
15分ほどのタイムロスを埋めるように、有志は智希を急かした。
「お前が来て早々サカるから…」
「何言ってんの。しっかり有志も楽しんだじゃん」
「………」
慣れない。
下の名前で呼ばれることに。
「……顔、真っ赤」
「うるさい」
ニヤニヤしているのが見なくてもわかる。
頬に人差し指が這い軽く振りほどくと、クスっと小さく笑い声が聞こえた。
悔しい。
俺、父親なのに。
こんな事で悔しがっている時点で父親らしくないのだが。
部屋の鍵を閉めてエレベーターへ行くと、ふと小さなポスターに目がいった。
ホテル内で行っているサービスのようだ。
「……露天風呂貸し切り…」
「へぇ」
ボタンを押しエレベータを待っている間、誰も来ないホールで仲良く首を傾げていた。
後ろ姿は本当にそっくりだ。
「申請して予約入ってなかったら入れるんだ。いいなー予約しよっか」
「……二人で入るのか?」
「他に誰と入るんだよ」
眉を曲げて笑う智希をチラリと見上げながら、やっと来たエレベーターに乗り込んだ。
1階のボタンを押し、エレベーター内にも貼ってある『露天風呂貸し切り早い者勝ち!』に目をやる。
「あ、でも30分だけかー」
「………」
180度パノラマの露天風呂は誰が見ても絶景で、3人入ってちょうどぐらいの大きさはどこか風情がある。
「………」
智希は隣で俄然テンションが上がっているのだが、今ひとつ有志は盛り上がっていない。
エレベーターが降りる14階から1階までの時間、有志に入ろうと誘ったのだが結局OKは出してくれなかった。
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