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「んっんっ…んっ」


「……声押し殺してるの…たまんないね」


「んんっ!」


先端を見つけ、下着の上からカリっと爪で刺激した。
有志の体が軽く跳ねこもる声もさらに熱を帯びてくる。


「とっ智っ」


「ん、大丈夫。挿れないから」


「ちがっ」


「?」



「下着…汚れる…から……と……取って」



「………」



はっきり言って、34歳の男が言うセリフではない。




「…ごめんね、気付かなくて」


「あっ…」



再びゴソゴソと有志のズボンの中を智希の手が這うと、下着の中に侵入し熱いソレを取り出した。
まだ軽くしか反応してない有志のソレが、ズボンの上からちょこんと顔を出している。


空気に触れ、恥ずかしいのだろう。有志は下を見て自分のソレを見つけると顔を背け目を閉じた。


慣れない。
何度も、これ以上卑猥な事をしているというのに、有志はこういう行為に全く慣れない。
常に恥ずかしがり頬を染める。


そんな有志を上から覗き込み、またゴクリと生唾を飲み込む智希。
心拍数が早くなってきた。


「…父さん…好き」


「んっ!」



シュッ、シュッ、と右手を動かして有志のソレを上下に擦る。
濡れていない為動きはさほどスムーズではないが、壊れ物を扱うように丁寧に擦り上げていく。


「んっ!んっ!」


手の動きと有志の喉の動きが同じだ。それを聞いて顔がほころびる智希。
形を現し始めたソレのくびれに親指で刺激すると、さらに喉の音が大きくなった。


「…先、好きだよね」


「んっ!んんっ…あっ」


グリグリと先端を親指の腹でこね、うっすら汗をかき始めた有志のうなじにキスを何度も落とす。

次第に濡れる音が響き始め、有志も小さく震えてきた。
だが必死に声を押し殺そうとしているので、それはそれで可愛かったが少しイタズラをしたくなってきた。


「……父さん…」


「っ…あぁっ!っ…それっ…それやめっ…やめっ!」


「それって、どれ?」


「っ…つ、爪で先っぽ弄らない…で…あっ!や、やめ…やめ…やめな、さい!」


「なんで?気持ちいいんでしょ」


「んんっ!」


有志の先端を爪で少しきつめにグリグリと掻き混ぜると、よほど気持ちいいのか下半身が痙攣してきた。
太ももが強張り、腰を付き出してしまう。


「あっ…んんっ…と、智希の…」


「ん?」


「…智っ…智希の…当たって…る」


「うん。俺も興奮してるから」



無意識に腰を動かし固くなり始めている智希のソコに自分の尻を付き出してしまう。
布越しに感じるソレを、有志の体が求めている。


「……とっ…智のも…やろうか?」


「っ……」




震えながら振り返り智希を見上げる有志。
潤んだ瞳と赤く染まった頬は、智希のソレをさらに元気にさせるわけで。


「…俺は…いい。父さんだけ気持よくなって」


「なっ…なんっ」


「小学生相手に嫉妬した罰」


「あっ!」



濡れ始めた有志のソコをさらに激しく擦り絶頂へ導いていく。
服はちゃんと着ているけれど、ソレだけズボンの中から顔を出している姿はなんとも卑猥だ。


「…ごめん、俺…小学生相手に…消えろ、とか思った…」


「あっあっ…んんっ!…でっでも…」


「?」



有志は智希の腕を掴むと、声を絞り出しながらか細く呟いた。



「……将太が…智希のこと消えろ、って言ったら怒るけど…と、智希が嫉妬でそう思ってくれてるなら…嬉しい」


「父さっ…」


「俺、ほんと…ダメな…父、親…だよな」



「………」



有志はまるで泣いているかのような、辛そうな顔をしていた。




やっぱ俺には、父さんしかいない。




智希も、泣きそうな顔をしていた。




「…んっ!んっんっ!智っ…もっ…もう…だっダメっ」


「……ん…ちょっと待って」


智希はぐっと溢れそうな涙を抑え、ベッド棚に置いているティッシュを数枚取り有志の先端に被せた。



「…おもいっきりイっていいよ」


「んんっ!んっ!」


「っ……」



本当に、拷問のようだった。

前を擦り続ける智希。
絶頂が近づいてきた有志。

無意識に有志の腰は動き、固くなっている智希のソレを自分の尻に押し付けている。
布越しだが固くなった智希のソレはくっきり形になっていて、有志の尻にカリっと刺激を与える。




やべ、俺このまま擦らなくてもイっちまいそう…。



そう思った瞬間、有志の腰の動きがさらに大きくなった。
粘着音もさらに大きくなり、先走りの量がその限界を示している。


「あっあっ…あっ…智っ…智ぉ…んんっ…んーっ!」


「っ………」




背中を弓なりに反らしピンっと足先を伸ばすと、有志のソレを覆っていたテッシュがどんどん湿っていく。
ビクン、ビクン、と何度か大きめの痙攣を起こすと、有志の体は脱力し呼吸を整え始めた。



「……おやすみ、父さん」


「へ、あ、あー…おやす…み…」


まるで夢を見ているかのように有志は数回瞬きをしながら智希を見ると、おやすみの言葉に安心したのかそのまま重い瞼を閉じた。




ほんとに疲れてたんだな…。



智希は湿ったティッシュを取りゴミ箱に捨てると、新しいティッシュで丁寧に拭き元に戻った有志のソレを下着の中に収めた。




「……父さん…」


「…んー…」



後ろからぎゅっと抱きしめ、智希は不安と戦っていた。







父さんは、俺だけのものだよ、ね。



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