9







「今週ずっと忙しくてね、でも泉水さん今週はどうしても早く帰りたいからって、平日早く帰る分、休日出て来るって言ったんだよ」



「………」





今、智希の頭に響いているのは、有志の言葉。






『あ、あのさ。今仕事が一段落ついてて…今週は早く帰れそうなんだ』









「………」






そんな、そんなまさか。









「でも泉水さんやっぱ凄くて、朝早くに来て仕事してるんだよ。昼も遅くに食べたりして…あ、でも智希君の作った弁当は嬉しそうに食べてたよ」





もう、やめて。






「そんで今日、俺もたまたま仕事残ってて一緒にいたんだけど」





自分の小ささがどんどん浮き出てくる。







「泉水さん、朝からちょっと顔色悪くてさ。本人は大丈夫って言ってたんだけど…」









その間、自分は何をしていた?



有志が一生懸命働いている間、何をしていた?








「11時過ぎぐらいかな、立ち上がった途端椅子から転げ落ちて…」







ずっと俺は、拗ねていた。






「息はしてるけど起きなくてさ、俺びっくりしてすぐ救急車呼んだんだけど」









重里の話を聞きながら、智希は自分の愚かさに泣き崩れそうだった。

あんなに、必死に時間を作ってくれていたのに。




俺がしていたことは……。







「ごめんな、智希くん試合中だって知ってたのに学校に連絡しちゃって……」


「いえ…連絡してくれてありがとうございました」




智希は深々と礼を言うと、ぎゅっと拳を握りしめ立ち上がった。


「あとはもう…大丈夫なんで」


「うっ、うん……」







智希君、こんな表情してたっけ…。



重里は智希の暗く闇の潜んだ表情に息を飲んだ。
反射的に立ち上がり智希の肩に手を置く。






「と、とりあえず今は休養が必要みたい。明日の仕事は俺がなんとかするからゆっくりしてくださいって言っといて」



「はい…本当に…ありがとうございました」




「………」


再び深々と一礼する智希を見届けると、重里は廊下を歩き去っていった。






「………」


智希は重里が角を曲がるまで立っていると、見えなくなった瞬間深呼吸をした。



さっきまで汗をかいていたというのに、今では冷や汗に代わり少し肌寒い。





305号室・緊急
と書かれた標識を見上げもう一度大きく深呼吸すると、引きドアを掴み力を込めて一気に扉を開けた。








ガラガラガラガラ……


ドアの開く無機質な音が響くと、緊急用のせいかベット一つと丸椅子が2つあるだけの小さな部屋が目に飛び込んできた。




真っ白のカーテン、真っ白の壁、真っ白のシーツが清潔感を漂うが逆に色がない為不気味ともとれる。


智希は慣れない病院の匂いに心地悪さを感じながら、唯一色があるベットを覗き込んだ。





「……父さん」


有志はシャツのボタンを何個か外し寝息をたてていた。
規則正しく苦しそうではない。
顔色もよさそうだ。




「……よっぽど…疲れてたんだな…」




智希はゆっくりベットに近づくと、有志の寝顔から視線を反らさずパイプ製の丸椅子に座った。
ギィと椅子が鳴るが、有志はまだ起きない。


カーテンの隙間から日光が注ぎ込まれてとても明るい。

そういえばまだ昼過ぎだもんな。

そう思いながらじっと有志の寝顔を見つめる。





「……父さん、父さん」


呼んでみる。



「………」


起きる気配はない。






「………父さん」


小さく呟きながらシーツから出ていた右手を握った。

暖かい。



生きてる。




「っ………」


涙が溢れてきた。
どんどん瞼に溜まり、目を閉じた瞬間ポロポロと溢れ出てくる。














「……よかった」










喉を鳴らしながら唸るように声を発すると、震えながら有志の手を頬にあてた。







意識がない有志の手。
まるで何か確かめるように何度も頬で擦られ、次第に智希の涙で濡れていく。

とてもとても熱い、涙。






「っ…っく……父さっ…父さん……」







有志の手で受け止められなくなった涙はシーツにポタポタと零れていく。


するとピクリと有志の手が動いた。
智希も反射で体を震わせ有志の顔を見ると、眉間にシワが寄って目が軽く痙攣している。




「……ん…」



低い有志の声が響いた。


「っ………」

智希は俯いていた顔を上げ有志を見つめる。


涙で目がぼやけているというのに、拭うことを忘れて見続ける。




「……んんー…」


有志は顔を歪めながら体を反転し智希側に向けると、無意識なのかぎゅっと手を握り返す。



「……父さん…」



まるでその言葉に反応したように、有志は閉じていた瞼をゆっくり開けた。



「……ん…ん?」


まだ意識がはっきりしないのだろう、ぼやける視界の中智希を見つめる。



「……と…もき?」

「…うん」



ぎゅっと有志の手を握って、止まった涙の痕を付ける頬に持ってきた。
擦りながら何度も頷く。




「……これは…夢?」


「なんでだよ」


フっと笑うと、視界がやっとはっきりし始めた有志も優しく笑った。



「…やっぱ夢だ」


「だからなんでだよ」


有志は開いた左手を持ってきた。智希の手を掴み重ね合わせる。



「智希が俺に笑いかけてくれるなんて、絶対夢だ」


「っ………」




絶句する智希をよそに、有志は弱々しく握った手を自分の頬に持っていく。
自分より大きく、自分より潤いのある手を頬に擦り寄せる。



「でも…凄くいい夢だ……覚めたくない」


「父さっ……」



「智希……ごめん…な」




持って行かれた自分の手で遊ぶ有志を辛そうに見つめていると、突然声が篭り震えながら謝罪された。


「ごめん…ごめん……」





次第に智希の手が濡れていく。

今度は有志の涙で。






「……何に対して…謝ってんの」



黙っていたこと?
記憶はあったのに、なかったことにしようとしたこと?



















「俺…父親なのに…お前のこと好きになって……ごめん」
















「なっ……」







細く弾かれた言葉は、智希の全く予想しなかった言葉だった。











「智……」



辛そうに智希の手を握る有志は、虚ろな目で涙を流し続ける。




「なんだっ…よ……それ!なんで謝るんだよ!」




好きと言われたというのに、怒りが込み上げてくる。







「だって……」


「ごめんてなんだよ!」




ガタンと丸椅子を倒し寝転ぶ有志の肩を羽交い締めにすると、見上げる顔は怯えではなく憂いを帯びていた。





「だって俺達は血が繋がってるんだ……」




「………」




虚ろだった有志の目は、しっかりと智希を捕らえていた。





真剣に、真剣に想っているから。



そこだけは、偽る事の出来ない真実。









「……血って…なんだよ」


「智希……」


見下ろす智希の顔は有志と正反対で曇っている。
細い肩を掴みながら、もしかしたらこの数日で痩せた?と、自分のせいで弱った体を優しく抱きしめた。






「……血なんか…血なんか…」


「……智希…」




有志の頬を触り撫で続ける。
ゆっくり起き上がり有志を見下ろした。











「俺達に血なんか流れてないよ」

「え…」



きょとん、と有志を見上げるとその顔に笑みをこぼし瞼にキスを落とした。




「父さんは実の子供を、俺は実の父親を。本気で好きになった時点で人間じゃなくなったんだ」


「智希…」


「人間じゃない俺達に、血なんか流れてるわけないじゃん」


「………」




喜びか、不安か。
有志の瞼から涙が流れる。

智希は再び微笑みながら有志の涙を人差し指で拭うと、頭を撫でてあげる。
やはり、どちらが父親でどちらが子供かわからない。




「水だよ」


「……水?」


「うん。俺達にはね、朱い水が流れてるんだ」


「………」


不安そうに見上げる有志にまた優しく微笑みながら手を握ると、ゆっくり瞼を閉じた。

すぐにゆっくり、開ける。





「俺達に流れてるのは朱い水だから、血なんかどうでもいいんだよ」


「……でもっ」




先に年を重る分、たくさんの事を知り、たくさんの事が恐怖になる。




失うことの恐怖感、終わりがあるということの絶望感。

世間という、見えない壁。





「でも俺はっ……おまえより一回り以上年上だし…」


「今更年齢なんか関係ないよ」


「おまえはまだ10代なんだから…この先好きになる人が……」


「ありえないよ」


「………それに…順番でいったら俺…早くおじいちゃんになるし」


「それが?」


「……さっ……先に死ぬ確率も…」


「父さんが死んだら俺も死ぬよ」


「なっ……」


「だから、長生きしてね」


「っ………」




有志は耐えきれず薄い掛け布団を頭まで被った。


震えている。


智希はフっと笑うと、ゆっくり布団を引きはがした。
思いの外力は入ってなくて、簡単に有志の顔が現れる。


顔が、真っ赤だ。



「………真っ赤」


「そっ…そんな殺し文句…」


言われたら…。
そう言おうとしたら唇が何かに触れた。



智希の唇だ。





「んっ……」


有志の喉が鳴り、そっと目を閉じる。

なのにすぐ唇が離れてしまって、思わず名残惜しそうに唇を突き出してしまった。
恥ずかしそうに目を開けると、ギシっと音を立てて智希が上半身乗り上げ見下ろしている。




言葉を。




智希が声を出そうとした瞬間、有志が唇を開いた。











「……俺も…。智希が死んだら…俺も死ぬ」


「っ………」




30歳を越えた男性が言う言葉ではない。


しかし、智希には心臓が止まってしまう程衝撃的な言葉で。







「父さっ」


「智っ…んっ……」




ギィ、と簡易ベットが鳴りその音を消す様に二人は唇を重ね合わせる。


「んっ……はっ…ちょっ……んっ……誰か来るかもっ……んっ」


「っ……はっ……」



智希は有志の声が聞こえているのだろうか。
何度も角度を変え舌を押し込み絡み合わせる。

有志の口端からは飲み切れなかった二人の唾液が流れていて、枕を濡らし始める。


誰か来たら。
そう思っているのに、気がつけば有志の腕は智希の背中に手を回していた。


あの日の様に、初めて体を重ねた日の様に。

有志も唇を突き出し舌を押し込む。


「んっ……はっ…んん」



「っ……父さん……」



「んっ……っ…はぁ…はぁ…はぁ」




ほんの数秒だったというのに、あまりの激しさに有志はやや酸欠で顔が真っ赤だ。

午前中に倒れたこともあり目眩がする。
しかし今の智希には余裕がなくて、肩で息をする有志を抱きしめた。



「っ……智…」


「父さん…ごめん」


「……?」


まだ少し視界がボヤけているけれど、手を回し背中をさすってあげる。
智希は有志の肩に顔を埋め搾り出す様に声を出した。



「父さんが…仕事忙しいけど無理して時間作ってくれてたのに…俺…ずっと拗ねてて…」


「……重里から聞いたのか」


「………」


コクン、と頷く。



「ずっと父さんから逃げてて……そしたら父さん、疲労で倒れて…」


「……今日はちょっと暑かったから、軽い立ちくらみにあっただけだよ」


「俺のせいで……」


「智希のせいじゃないよ……それよりお前、今日試合だったんじゃ」


智希の頭を撫でながら顔を覗き込むと、もそもそと動いて有志の胸に頬を付ける。
トクントクンと心臓の音を感じながら目を閉じた。




「大丈夫、いっぱい点取ってきたから」


「最後までできたのか?」


「途中で抜けたけど、大丈夫だよ。絶対勝ってる」


「そっ…か……。ごめんな、俺が倒れたから…」


「別に」


智希は甘えるように顔を胸につけたまま見上げると、すまなさそうに眉を曲げている有志の頬に手を当てた。




「父さんのいない試合だから、全然楽しくなかった」


「………」



ゆっくり智希の手に自分の頬を当て、スリスリと寄せる。








「………智希…好き」


「………もう1回言って」


「…智希が好き」


「……もう一回」


「智希が好きだ」


「もう一回」


「好きだ」


「もっと」


「好き」


「もっと」













「絶対、誰にも渡したくない」





「……ん」




ギィ。



再びベットの音が鳴り、流れるように二人はキスをした。






「んっ…ん……智希…」


「父さん……」


「んんっ……ん!ちょっ!」




自分より18も下なのに何故こんなにキスがうまいのかと悔しがっていると、突然いつの間にかシーツの中に入ってきていた智希の手が有志の股間をなぞる。

背中の震える感覚に気付くと、有志は智希の腕を掴んで力を込めた。
しかし、力で敵わないのは承知の上で。




「触らせて」


「やめっ…智希……誰か来たらっ」


「足音で気付くよ」


「ちょっ……!」



有志はついに起き上がり智希の手を止めようともがいたが、簡単に交わされ再び仰向けに寝転ばされた。
抵抗に全く動じず緩められていたベルトに手をかけボタンを外しチャックを降ろす。



「智希!」



「静かにしてないと、看護婦さんきちゃうかもよ」



「っ………」



少しだけ大人しくなった有志を見つめ笑いかけると、丸椅子に座り直しまだ反応していない有志のソレを掴んだ。




「ひっ……カッ…カメラとか…あるかもしれない…し」


「ないよ。病室にカメラとか、ないない」


「でもっ……あっ」



有志のソレを、くわえる。



「父さん、声」


「だだだって……」


「自分で口抑えてて」


「……んっ」



本当に抑えた。
あまりの可愛さに智希のテンションも俄然上がるわけで。


優しく微笑むと、再び有志のソレを掴み口に含んだ。




「んっ!」


温かい口が快感を誘う。
一度引き抜き今度は舌を使って側面を舐めていくと、有志の足先がピクリピクリと痙攣しているのがわかった。

智希はそれに気付きニコリと笑うと、先端に軽く歯をたてる。
甘噛みで何度もくびれから先端まで口を這わせると、有志のソコから白濁の液が流れ始めた。


「ふっ……!」


辛そうに鼻で息をし、目をきつく閉じて耐えている。

智希はそれを横目で見ながら先端を大きく吸った。
ジュルっと卑猥な音が響くと、有志の体は電撃が走ったように足から頭まで痺れていく。


「んんーっ!」


痙攣し、有志のソレもグンと大きくなった。
そこから執拗に先端を何度も吸い上げていく。


「っ…やっ…やめてっやめろ…!……そんな吸ったらっ…んんっ!」


暴れ始めた有志の太腿を掴み大きく開かせると、一気に喉奥まで押し込んだ。
智希の喉に有志のソレが当たるほど飲み込み喉を喉を鳴らしながら愛撫していく。



「んんっー!!」


イったかと思うほど有志は痙攣して、自分の指を噛んでしまう。
もじもじと下半身を揺らすが、がっちり智希に掴まれ逃げられない。



「智希っ…智希!つっ…強すぎるって……!」


「気持ち良くない?」


「はぁあぁぁ!」



意地悪く先端のくぼみに歯をたてると、閉じようとしていたはずの有志の足が大きく開かれ宙を舞った。
足指までピンと力が入っているが、まだイってはいない。




「っ…はぁ…はぁ…智希…もうやめっ…あっ……そんな…擦らないっ…んんっ」



智希は再び先端をきつく吸うと、有志のソレを擦り始めた。
濡れた唾液と有志の液が潤滑油となり卑猥な音を立てて滑っていく。


「やっやっやめっ…ちょっ!……あっ…あっ…!そんな一気にしたらっ……出るから…!」


「いいよ。前に、今度は飲むからって約束したしね」


「なっ…飲っ…やっ…あっ…あぁっ!」



擦る手を早めさらに先端に歯をたてる。
有志の腿がピクリピクリと痙攣し始めた。
もう出るな、そう思い先端を先ほどよりきつく吸い上げる。



「あっあっあっ…!ダメ…だ!イっ…イっちゃう!」


「っ………」


「あっ!イっ……イクーーーっ!!」


「……っ……っ…んっ」




有志が腰を強く打ち付けたあと、智希の口の中にドロっとした液体が注ぎ込まれた。


有志は痙攣しながら精子を吐き続けると、出し終えたのか動きがゆっくり止まりグッタリとベットに身を預けた。




「っ……まず」


残さず全て飲みきった智希だったが、あまりのまずさに眉間にシワを寄せた。
濡れた唇を拭き取って、まだ起き上がれない有志に代わってズボンを履かせてやる。




いくら好きな人でも、これはうまいとは言えねーや。
女とはまた味が違うんだな。


ぶつぶつと独り言を言っていると、やっと呼吸が調ったのか有志が起き上がった。
しかしまだ顔は真っ赤だ。




「……気持ち良かった?」


「……ばか」


「いてっ」


怒り顔で智希の頭にげんこつを落とすと、さほど痛くないのにオーバーリアクションをする。


「……こんな…ことは……家でするもんだろ」


「じゃあ、家でだったらいっぱいさせてくれる?」


「っ……帰る」


「あ、ちょっと」


有志は拗ねた表情でベットから降りると、靴を半分履いた状態で歩き始めた。



「待って」


「………」


言葉を無視して扉を開け、智希を置いていく。
智希も、無視をされているというのに嬉しそうで、ゆっくりと後をついていく。




「……父さん」


「っ……!誰か来たらっ…!」


「父さんは病み上がりだから。俺が支えてあげる」


「………」



突然繋がれた手に驚いて智希を見上げたが、本人は嬉しそうにニコニコしている。


「………」


手を振りほどくことは、できない。





「帰ろ。俺らの家に」


「……うん」




陽射しの暖かい中、ユニフォームを着た長身の少年と、ネクタイを外したサラリーマンが仲良く手を繋いで廊下を歩いていく。




通りすがった優しそうな老人は、始め二人に驚き目を見開いたが、振り返り二人の背中を見ているとその暖かさになんだか笑みがこぼれた。














「待て…智っ…」

「待たないよ、手、どけて」

「っ……」


病院からタクシーで帰ってきた。
タクシーの中でもずっと手は繋がれ離されなかった。
離してくれなかった、とも言う。


「……タクシーのおじさん、凄い見てた」


「病院から乗ったんだから、病人って思われてるよ。ほら、早く手どけてってば」


「………」


玄関に入った瞬間後ろから抱きしめられた。
バランスを崩した有志はよろけながら智希に寄り掛かり息を飲む。


危ないから、そう言って離れようとしたらうなじにキスを落とされ驚く。
有志は思わず体を回転させドアにへばりついた。


智希は抱きしめる力を弱めず腰に手を回し何度も有志の首筋にキスを落とす。


チュ、チュッ、と。
間近で聞こえる水音が有志を酔わせる。

ぎゅっと目を閉じているとベルトに手がかかった。
まさか、と有志はベルトを掴み取れない様に必死に力を込めている。




「ま、まだ靴も脱いでないのに」

「そんな時間も勿体ない。本当はタクシーの中ですげぇ我慢してたんだから」

「ちょ…あっ」


力を緩めようとしない有志を諦め、今度はシャツに手をかけた。
手はベルトに力が入っているため簡単に外れていく。



「やめっ…!」


しかしここで手を緩めれば智希の思う壷だ。
全て開けたシャツに忍び込んでくる智希の手を肘で交わそうと思うが、やはり簡単に侵入される。


「じゃあコッチ触る」

「あっ…!」


男の性だろうか、無い胸をゆっくり揉み始めた。
中心の突起にはまだ触れず、女性の様には収まらないがスベスベの胸板を揉み続ける。




「揉まれるの、気持ちいい?」

「あっ…くっ…くすぐったい」


耳元で囁かれる言葉もくすぐったくて、体を妖しくくねらせてしまう。
段々息が荒くなってきた。
しかしベルトの手を緩めることはできない。



「……結構頑固だね」

「いっ…嫌だって言って…あっ…!」


そろそろ観念すると思っていたのに。
智希は小さく舌打ちをすると、触っていなかった胸の突起をつまんだ。

背筋に電撃が走りうっかり足を開いてしまう。
見逃さない智希はすぐ右足を股に忍び込ませると、ぐっと力を込め押し込んで玄関のドアで有志の体を挟んだ。

敏感になり始めている有志のソコが、智希の膝で刺激される。


「あっ…智っ……やめっ」

それでもまだ手はベルトから離さない。
智希も意地になり、胸の突起を爪で弾き始めた。

「っ…あっ…いっ痛いっ……」

「…でも、段々堅くなってきたね」


子供をあやす様に話しかけると、その声色とは裏腹に有志の胸の突起が赤くなるほどつねり続けた。
親指の腹で押しつぶし、人差し指と挟んで指を鳴らす時の仕草のように弾けさせる。

「あっ…っ…んんっ……あっ」


痛い。
確かに、痛い。
しかし痛みと快感が紙一重で、つねられ痛みが伴っているのに、股間はジンジンと脈を打っている。

器用に、無い胸を揉みながら胸の突起をつねっていると、我慢できないのか有志が振り返り智希を見上げた。


「も…ほんと…やめ…」

「…じゃあ手、どけて……」

「…………せめて風呂に入らせてよ…」

「ダメ。時間勿体無い」

「…………」


智希が人一倍頑固で、負けず嫌いなのはもちろん親子なので知っている。
あまり顔には出さないが、意思が強く一度決めたらなかなか動こうとしない。


観念。
有志がゆっくり力を緩めると、待っていましたとばかりに乱暴だが的確にベルトを外していく。


カチャカチャ…

「………」

自分のベルトが外されていくのを見下ろしていると、羞恥で顔から火が出そうだった。
先ほど病院で口でされたというのに、まるで初めて触られるかのように恥ずかしがっている。

ベルトが抜かれると、ストンと音を立てて玄関のコンクリートの上に落ちていった。
あ…と、有志は声を漏らしたが、すぐ下着に手をかけられ思わず智希の腕を掴む。



「ちょっ……ここ玄関だぞ」

「…うん」

「誰か着たら…」

「居留守使えばいいよ」

「でも…あっ」


家の玄関ドアは、3分の2が木製で、残りがスリガラスになっている。
有志はその、木製の部分にいるため外からは見えないだろうが、少しでもはみ出せば外からわかりにくいとはいえ、人間が動いている姿が映し出される。

やっぱりここでは…。
そう言おうとした瞬間、下着の中に手を入れられた。


「……もう、濡れてる」

「…うっ……うるさい」

半勃ち状態の有志のソレを掴むと、ニチっと音をわざとたてニコリと笑う。
胸の刺激で濡れてしまった有志の下着の中を、少し乱暴に弄り始めた。


「あっ……あっ」

玄関のドアに両手と額をついて、暴れる智希の指使いに思わず腰を揺らしてしまう。

腰を揺らすと、智希の足が股間のところに押し込まれているためまるでおねだりしているよう。
本人はそれに気づかず智希の指の動きに合わせて腰を振るが、上から見ている智希にとっては拷問だ。

「……誘ってんのかよ」

「へっ…あっ!」


押し殺すように言葉を発すると、下着を一気に下ろしズボン同様玄関の床にストンと落とした。
上半身はボタンが全て外され全開、下半身は何もつけていない。

ほぼ、全裸みたいなものだ。


「はっ…恥ずかしいっ…から!智希っ……やめなさい!」

「……恥ずかしいのがいいの?下着取ったらちょっと大きくなったよ」

「そんなことっ…」

「嘘だっていうの?」

「あぁっ!!」


耳元で囁きながら有志のソコをきつく握ると、先端からジワリと白濁の液が溢れてきて、智希の手を汚していく。
しかし、汚れたのは智希の手だけではなかった。

「…ほら、見える?父さんが俺の太ももの上で腰振ってたから…俺のユニフォーム父さんの液でビショビショだよ」

「えっ……あっ…ごめっ」


智希は意地悪で言ったつもりなのに。
有志は本当にすまなさそうに謝り、シミになった智希のユニフォームを手の甲で擦った。

「ごめっ…ごめ……。え、これ…擦って落ちるかな?やっぱクリーニング出したほうが…」

「………」

不安そうに智希を見上げる有志。
落ちたのはシミではなく、智希だった。



「っ……くそっ…」

「えっ…わっ」

智希は有志の股から足を外し一歩下がった。
切羽詰った顔をしている。



「今まで我慢してた分…これから取り返していくからな」

「ちょっ…待っ…やっ…これはっ…あっ!」


有志の腰を掴みながら床に膝をつくと、白く今まで見た中で一番綺麗な尻にチュっと音を立ててキスをした。

まさか。
有志がサーっと冷や汗をかいた瞬間、智希は舌を押し込んだ。
有志の、蕾に。


「いっ………!!」

玄関のドアに付けていた両手に力が入り、手のひらを大きく広げてドアに崩れそうになった体を支える。


「あっあっあっ…ちょ…そんなとこっ…あっ…やめっ…あっ…」

もじもじと足を動かすけれど、しっかり智希に腰を掴まれているため動かない。

智希は双丘を割り、出てきた蕾の入り口を何度も舐めると、ぐっと力を込め親指を入れる。
思った以上にすんなり入って、入り口を広げながら再び舌を押し込んだ。

「あっ…そんなとこっ……舐めるんじゃ…ないっ……あっ…智っ…やめて…やめ…ろ…!」


もちろん智希が聞くわけもなく。
唾液をどんどん中に注ぎこんで、グチグチと音を立てながらほぐしていく。

親指の付け根まで収まった有志の中は、ぐりぐりとかき混ぜられ卑猥な音が響いている。

「…お尻、気持ちいい?」

「あっあっ…やめっ……やめっ」


崩れ落ちないよう必死にドアにへばりついて、ガクガクと震える足に力を込めていた。
しかし、折角力を込めているというのに、智希が親指を2本に増やし愛撫してきた。

ガクっと、膝が崩れる。


「…おっと。危ない危ない」


すぐ有志の腰に手を回し助けると、再び立たせてドアにへばりつけさせる。


「もっ…もう…智希……無理……勘弁して…」


はぁはぁと息を荒らげて、終わりが見えない快楽に意識が遠のきそうになった。
しかし、その瞬間。


『ピンポーン』

「っ……!!」

「………」


玄関のチャイムが鳴る。
するとスリガラスから人影が見え、壁一枚を隔てて誰かいることがわかった。

宅配便だろうか。
再びチャイムが鳴った。


『ピンポーン』


「…と、智希」

「………」


有志はドアに手をつきながら振り返り智希を見上げると、涙目になりながら無理だと訴えた。



くそ、めちゃくちゃ可愛いな。
首を振る有志にムラムラして、唇にキスをした。


「んぅっ……」


しかし有志はすぐ唇を離して、智希にだけ聞こえるよう小声で話す。


「ばっ…!バカ!バレたらどうするんだ…!」

「……父さん」

「なんだ!」

「………鍵、開いてるね」

「えっ……」


青ざめた有志は再びドアに顔を戻し鍵を確かめている。
この、鍵の形は……。



開いている。


「っ……!」

「……ははっ…。父さん、開いてるってわかった瞬間中がキュって締まったよ」

「なっ…!」

「どうする?今から鍵閉める?音でバレちゃうね」

「………」

「……じゃあ、このまま続きしようか」

「なんでそうなるっ……っ!!」


智希の親指は一気に抜かれ、代わりに人差し指と中指が入ってきた。
長さが加わりさらにゾクゾクと快感が押し寄せてくる。


『ピンポーン』

「っ…!!」

「……ほら、また締まった」

「!!」

智希を睨みつけると、優しく笑うその笑顔に思わず見とれてしまう。
こんなことして、許せるわけないのに。

それでも、智希の嬉しそうな笑顔を見ると全て許してしまう。


気が付けば指は3本になり、中をグチグチとかき混ぜながら舌も押し込まれている。
震える足を一生懸命こらえ、有志は何事もなく訪問者が帰ってくれることだけを願った。

「っ…んっ……」

出来るだけ声を出さないよう頑張っているのだが、下半身の刺激がきつすぎて声が漏れてしまう。


早く、早く帰れ。
開かれた状態の鍵を見つめる。
なかなか帰らない訪問者に、大事な用事ならすみません。そう思いながら智希の愛撫を受けていた。


すると4回目のチャイムを鳴らし諦めたのか、訪問者は足音をたてて戻っていった。



「……はぁ……」


有志に安堵の声が漏れる。



「よかったね」

「おっお前な!もし泥棒とかで鍵が開いてることバレて中に入られたらっ…!」

「これで心置きなくできるね」

「はっ…話しを聞きなさい!」


怒ってはみるものの、半裸で息子に尻を突き出している状態だ。
全く説得力はない。

しかも触られていなかった有志のソコはポタポタと床に零れるほど先走りを始めていた。
ソレ本体は、すでに空を向いている。



「……こっちも、触ってあげるね」

「あっ…あぁっ!」


中を勢い良く混ぜながら同時に前を掴むと、それだけでイってしまいそうだったので腰を引いて耐えた。
このままでは玄関を汚してしまう。


「……と…智希…」

「ん?」

「………」

「…どうしたの?」

「あっ…!」


黙り込む有志の内壁を擦ると、背中を弓なりに反らし喘いだ。


正直もう、我慢の限界だ。


「……智…」

「なぁに、父さん」

「………と…」

「ん?」


言えない。
でもこのままでは本当にここで…。

有志はブンブンと頭を振ると、ドアに手をつきながら振り返り智希を見上げた。


「…も…もう限界…だから……智希の部屋に行きたい」

「…………」





智希の股間が唸ったのは、言うまでもない。


「父さん…」

「あっ……」


有志を後ろから抱きしめると、もう破裂寸前の自分のソコを服の上から有志の尻に押し当てた。


「……わかる?」

「……うん…」

「……なんでそんな可愛いの…。それが計算だったら許せるけど、天然だったらほんとひどいよ」

「………」


回された智希の腕にそっと自分の手を重ね、スリスリと頬を擦りつける。


「…計算って思われても…天然って思われてもいいから…智希の部屋行こう」

「………うん、俺ももう限界」

「ま、まずは玄関の鍵閉めてからな!」

「……ん、そだね」


智希はクスクス笑うと、鍵を閉め終えた有志を振り向かせキスをした。


「んっ……」

「……いこ」

「……うん」



差し出された智希の手をとり2階へ上がって行く。
繋がられた手は心臓の音が聞こえるのではないかと思うほど熱く脈打っている。


「……お邪魔…します」

「はいどうぞ」


まるで結婚初夜のようで。


智希の部屋の真ん中でソワソワしていると、智希は笑いながらベットに座った。
ユニフォームを脱ぎ適当に床に置く。

「………」


無駄な肉のない、だけどまだ未熟な体型は、何度見てもうっとりする。
有志はどんどん服を脱いでいく智希に夢中だった。


「……おいで」

「……智…」


有志も、唯一着ていたシャツを脱ぎ捨て智希の胸に飛び込んだ。
熱く深いキスをする。

「んっ……んんっ…はっ…」

交差される舌を何度も貪って、抱きしめられた肌からは熱すぎる熱を感じる。
有志の腹の辺りに、智希のソレが当った。

もう、こちらも限界のようだ。


「……父さん、好き」

「……俺も、智が好き」


確かめ合う合図のように。



智希は有志を抱き寄せそのまま流れるようにベットに押し倒した。
スプリングが揺れ音を立てる。


「……もうちょっとだけ…準備するな」

「……ん」


智希は有志の足首を掴み反転させ仰向けにすると、腰を高く突き出させ四つん這いにする。

「…何回見ても可愛い」

「そっ…そんなとこジロジロ見るな」


再びチュッっと尻にキスを落とすと、双丘に顔を埋めた。


「んっ…!」


人間の慣れとは凄いもので、先ほどより恥ずかしくない。
しかし快感は先ほどより強くなり、中を動く舌に誘導されるようにどんどん腰が動いていく。


なんでこいつこんなに舐めるのうまいんだ…!
嫉妬にも似た感情が出てくるが、言わない。


「…あっあっ…智っ…あっ」

「……凄いよ父さん、もう指4本も入った」

「う…そ…」

「ほんと。ほら、聞こえる?この音父さんが出してるんだよ」


中に溜まった唾液と指が空気音を作り、とても卑猥な音が響いている。


「あっ…やっ…やめっ…そんな音出すなっ」

「出すなって…父さんが出してるんだよ」

「うそっ…あっあっ」



両手中指と人差し指が2本ずつ収まり、まるでゴムで遊ぶように広げていく。
舌だけで蕩けさせられた有志は、四つん這いもままならないほど腰を震わせていた。


「……父さん…こっち向いて」

「……ん」


有志を仰向けにさせると、智希はベットに手をつき上から見下ろした。
少し、震えているようだ。


「…怖い?」

「……あ、あの…」

「ん?」

「あ…のな…。実は…あの日…初めてヤった次の日…」

「……うん」

「…こっ…腰が…筋肉痛になっちゃって……椅子に座るのもちょっと大変だったんだ…」

「………」

「…だ…だから…その……あんま激しくしないっ…」

「それ、煽ってんの?」

「なっ!」

「ごめん、それは聞けないや。むしろ今ので火がついた」

「!……ほんと…!俺…!エエエッチ自体が凄く久しぶりなんだから…だからあんま」

「だから、それを煽ってるって言うの」

「っ……」


有志は思わず口を手で押さえると、ニコっと笑った智希は腕を掴みゆっくり引き剥がした。


「覚悟、してね」

「智っ…!明日会社がっ…!」

「あ、重里さんが明日休んでいいって」

「そんなっ…ダメだって迷惑かかるしっ…いっ…あああぁっ!」



油断して緩んでいるところに、智希の先端が入った。


「お、結構すんなり入った。やっぱ前戯はたっぷり必要だな」

「あっ…智っ…あっ…ほんと……あっ…あんまきつく…あっ」

「大丈夫だよ、動くのは俺だから」

「でもっ…お前は高校生…だけど……俺はおじさんなんだかっ」

「こんな可愛いおじさんほっとけるわけないでしょ」

「あっ…あぁっーーー!」



グン、と腰を使った。
入り口のところで止まっていた智希のソレが一気に有志の中に入っていく。

ゾクゾクゾク、と背中に何かが這うような間隔になると、腰が浮き思わず力を込めてしまった。

「っ…きつ…」


智希は眉間にシワを寄せると、有志の膝裏を掴みピストン運動を始める。

「あっあっ…あっ…あっ」

突かれるたびに声が鳴りシーツをぎゅっと握ると、結合部分から卑猥な音がどんどん溢れていた。
その音も、快感の材料に変わる。


「…っ…凄い音、ねぇ父さん。聞こえる?俺と父さんが繋がってる音だよ」

「あっ…あっあっあっ…んんっ…はっ…あぁっ」

「聞こえる?」

「あっ!きっ…聞こえっ聞こえるっ…あぁっ!」


内壁を擦るように強く打ち付けると、生理的な涙を流しながら有志は天井向かって大きく喘いだ。

先ほどつまんだ所為か、少し赤くなっている有志の胸の突起を見つけ舌を這わせる。


「あっ…あっ胸っ…あぁっ…」


先ほどは痛いぐらいの刺激だったのに、今度は舌で優しく愛撫され胸の突起も震えている。
ピンと立った突起は智希に吸ってくれと言わんばかりに赤く染まっていた。

「んっんっ」

胸の突起をきつく吸うと感じるのか中が締まる。
閉じた目からも涙が流れる。

再び突き上げながら胸の突起をきつく吸うと、片手で有志のソコを握り擦った。


「あぁっ!!」


中は突き上げられ、突起はきつく吸われ、ソコは擦られる。
快感が一気に押し寄せてきて気を失いそうになった。


「あっあっ…あぁっ…あっあっあっ…智っ…あっ激しっ…激しいっ……あぁっあっ」

「…父さん…わかる?俺のが中に入ってるの」

「んっ…んっ…わかっ…わかる……」

「中で…っ……動いてるのわかる?」

「わかっ…わか…る……あっあっ…熱い……あっ」

「……中で…俺のがいっぱいになってるの…わかる?」

「あっわかっ…あぁっ…わかるっ…智希ので……お腹いっぱいに…あっ…なって……」


本能のままに二人は動いて、本能のままに愛し合った。
唇を重ね合わせ何度も吸い付く。


「っ……も……出る」

「おっ…俺もっ…もう無理っ…あっあっあっ」


肌のぶつかる音が大きくなる中、智希の動きが変わった。
早く、そしてより深く突いている。




「ご……ごめん…中…出して…い?」

「ん…うん…」

「……最近溜まってた…から……たぶん量多いと…思う…」

「あっあっ…智…智っ」


有志の膝が胸に突くほど持ち上げると、より深く押し込み強く腰を打ちつけた。


「あっあっあっ…あぁっ!出るっ…あっ!出るっーー!」

「っ……俺もっ……」


有志は智希に擦られ、智希は有志のきつい締め付けにより絶頂を迎えた。


「あぁっ…あ……あぁーーーっ!!」

「………くっ……!」



有志の液が自分の顔にかかり飛び散っていく。
智希のソレは痙攣のあと数回に分けてどんどん有志の中に注ぎ込まれていった。



「あっ…中……智の…入ってきて…る…あっ」

「っ…ごめ……くっ……止まんな…い」

「やっ…あっ…ほんとっ…止まらなっ…あぁっあっあっ……お腹…あっ…お腹いっぱいになるっ……!」



数十秒続いた射精は、有志のお腹が腫るほど続いた。
やっと止まり引き抜いた瞬間有志の入り口から大量の白い液体が溢れ出てくる。



「……はぁ…はぁはぁ…」

「……はぁ…」


止めようにも中から重力によってどんどん溢れてくる精液は止まらない。
有志は仰向けで液を流したまま寝転び荒く呼吸し、智希はその上で心臓をバクバク言わせながら肩で息をしていた。


「はぁ……はぁ…。ごめん、いっぱい出ちゃった」

「……い、いいよ…気にするな」


まだ溢れてくる液体を智希は起き上がり見つめていると、有志は恥ずかしくなったのか足をもじもじさせ前を隠した。


「俺が中掃除してあげるよ」

「いいいいよ!」

「遠慮しなくていいよ。最初だって全部俺が綺麗にしたんだし」

「……ほんと?」

「うん。中も全部掻き出して拭いてあげた」

「………」


そこは本当に覚えていないのだろう。
羞恥で顔を真っ赤にし枕で顔を隠した。


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