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「……風呂、上がろっか」

「……うん」


智希の腕に体を埋めながら小さく頷くと、したたり落ちる滴を拭うことなくゆっくり立ち上がる。
湯が跳ねてバスタブの外へ落ちていく。

二人は無言のまま風呂場を出た。




「と、智希…まだ髪の毛濡れてっ」

「もう待てないよ。それに動いてたらすぐ乾くって」

「とっ」


軽く体を拭くと智希に腕を掴まれ足早に2階へ連れて行かれた。
下着もつけず二人とも真っ裸だ。



ほんと…どんどん羞恥の基準が低くなってく…。








温まったのかよくわからない体はしっとり潤っていて、肌と肌を合わせただけで興奮する。

少し乱暴にベッドの上に押し倒されると、半乾きの髪の毛が気になって体を起こした。
しかし簡単に智希に胸を押され枕に埋もれてしまう。


「風呂上がりの父さん…好き」

「っ…」


鎖骨に這う、智希の舌。
ねっとり、そしてわざと性急な動きで有志の体を煽る。


「はっ…と、も……」

「ん?」


熱を帯びた声で呼ぶ愛おしい恋人を見つめると、少し目に涙を溜め唇が震えていた。



これは…



智希はすぐベッドに肘をついて覆い被さるように唇を落とした。


「ふっ…んんっ」



それはキスの合図。

有志は待ってましたと言わんばかりに唇を開き溢れ出る智希の唾液と舌を極上の食材のように味わう。


喉を鳴らし何度も舌を絡ませ、智希の首に腕を回し誇張を始めた股間を押しつけた。



二人とも裸の為、直にその部分が当たり腰をくねらす。


「んんぅ」


智希も有志同様、何度も角度を変え極上の甘い蜜を味わう。


ペニス同士が擦れ合い心地の良いキスと腕、シーツにくるまれ、有志の腰が小刻みに揺れ始めた。



「と、智……」

「気持ちいい?」

「う、ん…」



そろそろ触って欲しいな、と見上げるけれど、智希はわかっているけれどわからないふり。

唇を離してゆっくりと首筋、鎖骨へまた舌を這わせていく。


下半身は触れず体をズラして自分の腹に有志のペニスをくっつけると、わざと大きく動いてそこを擦り上げた。


「あぁっ!」


予想していなかった快感に体が大きくビクンと揺れ、無意識のうちに智希に抱きついてしまった。
すると智希はクスクスと笑いながらベッドに手を付き有志の頭を撫でこめかみにキスを落とす。



「父さん。そんなにきつく抱きついたら俺なんもできないよ?」

「ご、ごめっ」


はっとして抱きしめる力を緩めると、はぁ、はぁ、と肩を大きく揺らし顔を真っ赤にしたまま目を閉じる。

両手で顔を隠しベッドに体を預けると、何度も深呼吸をして落ち着こうとしているようだ。


「簡単に息上がりすぎ」

「お、おっさんと高校生の体力を一緒にするな〜…」

「手、邪魔」

「あっ」


有志を隠すその腕を引っ張ると、さっきより赤くなった顔が出てきた。


「なんか…ほんと…いつも…ごめん」

「え、なんで?なんでここでいきなり謝んの?」


腕を掴まれたまま顔をプイっと横に向けなぜか謝る有志。
その真意がわからず智希は笑いながら手を止め有志の頭を撫でた。


「その…いつも…おれ…俺のほうが…年上……なのに…その……こんな…テンパっちゃって……」



いまさら?



「くっくっ…」

「ちょっ…!こっちは真剣に…!」


肩を揺らし初めは小さく笑っていた智希だったが、ついに耐えきれないと腹を抱えて笑い始めた。



「ひーいーあーあっはは!!」

「お、おい!そんな笑うこと…」

「じゃあさ、今日は父さんがリードしてよ」

「え、俺が智希に入れるってこと?」

「なわけないじゃん」


本当にそう思ったというのに冷たく一蹴りされた。

すると智希は急に腕を拡げ大の字に寝ころんだ。

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