乱文倉庫
 (付き合いだしてから大分経った頃あたり)


きよら「私が私のタイミングで挿れます! 大丈夫です、事前勉強はバッチリです」
奈良坂くん「(任せたは良いものの、一向に入る気配がない……)」
きよら「(もっとダイソンの吸引力みたいにズボーって入ったら楽なのに入らないぞこれ絶対痛い絶対痛い座薬も嫌いなのに)うーん、今日は日が悪いかな? 友引かもしんない」
奈良坂くん「ここまで他人を付き合わせておいて、ふざけるな」
きよら「いや……あの、真面目にやってんですよ……やってるけど、本当にここでいいのかわかんなくなってきました」
奈良坂くん「……わかった、お前がし」
きよら「や、まだ私がんばれます!」
奈良坂くん「そういうことは数学の勉強中に言ってくれ……上でも下でもどっちでも構わないが――おまえに宛てがわれたまま五分以上、色々と辛い。早くしろ」
きよら「AVだとねえ、にゅるって行くんですよ。あれ詐欺だと思いませんか」
奈良坂くん「……おまえが、前戯は嫌だとか言うから……結局服も脱いでないし……さっさと降りて帰るか、大人しく下になるか決めろ」
きよら「どーしよ。帰ろうかな。当真さんか太刀川さんに聞いたら……とーるさん」
奈良坂くん「もう帰れ」
きよら「とーるさん、怒らないんですか。いつもだったら、女なんだから、男に変なことを聞いて回るなって呆れた顔するのに、帰れって言うだけなんです? それとも、もう二度と顔も見たくないって言う意味の“帰れ”ですか」
奈良坂くん「……話をしたいなら、降りろ」
きよら「……とーるさんの、余裕ない顔好き」
奈良坂くん「そうか」
きよら「そういう顔してると、とーるさんのことぎゅーってしたくなる」
奈良坂くん「好きにしろ。ここまで散々振り回されたんだ、何をされてもそう動揺しない――何が可笑しい」
きよら「とーるさん、私のこと好きにしたい?」
奈良坂くん「……したくなかったら、部屋に連れてこない。きよら、いい加減に降りてくれ」
きよら「……とーるさんになら、別に何されても良い……でも、」
奈良坂くん「きよら、動くな」
きよら「だけど、とーるさんが余裕なくて……私に振り回されるの我慢してるの、まだ見てたいから……」
奈良坂くん「何も言うな。それ以上動くな。降りるなら、もう少し、」
きよら「とーるさん……かわいい」
奈良坂くん「……きよら」
きよら「あの、」
奈良坂くん「だから」
きよら「な、え……?」
奈良坂くん「……動くなと、言っただろう」
きよら「あ……で、出たんです……? これ、あっでもエロ漫画とかだとすぐまた勃起……するんですけど、ねえ……と、とーるさん?」
奈良坂くん「……」
きよら「ちょ、な、なんで手で顔覆っちゃうんですか! あー、わかった! ね! パイズリしましょう!! エロ漫画だとそれで即再勃起ですし!」
奈良坂くん「そう……何度も勃起勃起……言うな……」
きよら「とーるさん、顔見せてくださいよ。わ、私がちょっと調子乗りすぎました。ね。誰にも言わないから。ね。あっ私も脱ぎます! それでとーるさんもコンドーム脱いで、新しいのつけて再チャレンジしましょう! そうだ、それでおあいこですし、よーしパパ脱いじゃうぞー!」
奈良坂くん「……ああ、そうだな……」
きよら「ご、ごめんなさい……」
奈良坂くん「謝るな。どうせ、最後まで漕ぎ着けるとは端から思ってなかった」
きよら「あの、それもだけど……とーるさん、こんなに凹んでるのに……凄く可愛くて、ちょっとひどいなって、自分に……思ってしまって――ぎゅってして、頭撫でて良いですか」
奈良坂くん「……好きにしろ」

奈良坂くんと挫折


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