▼ 報復
私はマヨネーズが嫌いだ。
アポロンメディアのヒーローコンビ、何にでもマヨネーズをかける方鏑木・T・虎徹は私の敵と言っても過言ではない。
「なぁーんでこの旨さがわかんねぇかな」
「わからない。わからないわ鏑木虎徹。そんな酸っぱい脂の塊なんてサラダにかけたらサラダの意味が!」
「サラダは健康にいいんだぞ?」
「そのマヨネーズのおかげで健康のためのサラダも意味がなくなっちゃうじゃない」
もう一度いう、私はマヨネーズが嫌いだ。
「なのになんで私のサラダに勝手にかけるのよー!!」
ケータリングのランチのサラダに勝手に彼がマヨネーズをかけたのだ。
「私はフライと一緒に食べるからなにもかけないって毎回言ってるのに!」
「いやー、余ったからもったいなくてさー」
かけるのなら自分の分だけにして。そして余ったものは吸うなり舐めるなりお好きになさって。
「好き嫌いは良くないぞー、いいかお酢は疲労回復に……ってなにすんだリツ!」
「お酢がいいんでしょう?ほーらほーら存分に摂取してくださいな」
専門店で買ったちょっとお高いビネガーを彼の白いご飯にかけてあげた。
「酢飯。健康に良さそうね?」
ボトル半分を惜しげもなく注ぎ、彼のサラダに私のマヨネーズまみれのサラダを足す。
「野菜もたっぷり取らなければ。じゃーね、私お昼はベントーショップにするわ」
手を振って部屋から出る。
ちょうど入れ違いになったバーナビーが部屋に入るなり噎せていた。
ごめんねバーナビー。
でもあなたの相棒が悪いのよ。
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