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▼ 初夢から目覚めてふて寝する砂

「ねえ、」
「なんだよ」
「イルミネーション見に行こ」
「それ今言うことか?」

今。
今まさにキスの合間で、これからもっと深く味わいつながろうとする時に。


「だってエドワード寝たら困るし」
至近距離でまじまじと見つめられながら言われてしまえば色気も何もなくて、エドワードはため息をついた。

「……わかったよ」

わかった、と適当に応えもう一度唇を合わせる。
かぶりつくように舐め、舌で中を探れば熱く柔らかいリツの舌が出迎えた。
目を閉じて粘膜同士の感覚に全神経を集中させる。

気持ちがいい。
角度を変え、より深く味わえば、ん、と鼻から声が抜けた。
その声を合図にエドワードはリツの背中に手を滑り込ませた。
「んん……冷たい……」
「……ワリ」

そろりと指先でリツの肌を撫でる。引っ掛かったブラジャーの金具をぷつりと外した。
「……えっち」
「まだまだこれからだろ?」
薄目を開けてエドワードに文句を言えば、最高に悪そうな顔で返された。

エドワードはリツの服をまくりあげデコルテにキスを落とす。
リツは手を伸ばしエドワードのヘアゴムをスルリと抜いた。
まとめていた髪がほどけてぱらりとエドワードの顔にかかる。

「なにすんだよ」
「こっちのがかっこいい」

顔にかかる邪魔な髪を耳にかけ、エドワードは愛撫を再開する。
胸に顔をうずめるエドワードの頭に手を回し髪を指に絡ませる。

ちゅ、と音を立てながらエドワードはリツの肌に次々と痕を残してゆく。

「ちょっと、それ恥ずかしいって」
「誰かに見せるのか」
「そういう意味じゃ……っ!」

抗議の声は続かなかった。
エドワードが胸の頂を口に含み刺激を与えればもうリツは甘い痺れに溶かされて何も言えない。
それをエドワードは知っていて、いつもリツが文句をつけるタイミングを見計らうのだ。

「っーー」

ゆっくりとベッドに押し倒す。
胸をエドワードの髪がさわりと撫でた。

冷たい指先が胸の輪郭をなぞり少しずつ降りてゆく。
ぞくぞくと身を震わせ、リツはエドワードの口と、舌と指に全神経を集中させる。

肋骨を過ぎて、クビレをなぞり、骨盤の出っ張りを撫で、さらにその下を目指す。


目指した。




はっとエドワードは目を覚ました。

「………………」

セーフ。

エドワードは下着を確認してため息をついた。
穏やかな寝覚めとは程遠く、ドカドカと主張する心臓を宥めようとベッドの中で大きく深呼吸をした。

「っくしょう……」

夢を見せるなら最後まで見せやがれ。
とんだ初夢にエドワードはもう一度ふて寝を決め込んだ。





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