小説 | ナノ

各小説のオマケ文章です


■するり*(花京院)

「アヴドゥルさん、今日の経路とこの先のガソリンの補給なんで……す、が……」
「ん?どうかしたか、公子」
「あ、いえ。えと。ま、まずは地図の確認を……」
(ハイエロファントグリーン!ま、まさか白昼堂々と服の中に……し、しかも他のスタンド使いの目の前で侵入してくるなんて!)
(公子さん、見えているかどうかは分かりませんが、少なくとも感づいてはいるんでしょ?いつまで知らん振りが出来るのか、見せてもらいますよ)
「この山道なんですが、補給箇所が……んっ……少ないようでして、ガソリンだけじゃなくて水と食料……ふっ、なんか、も、多めに……」
「ああ。薬も必要そうか?なんだか体調が優れないようだが」
「い、いえ。ご心配には……」
「しかしそんな様子で心配するなと言うのも無茶な話だ。お、花京院。ちょうどよかった。公子が具合が悪いみたいなんだ。ちょっと様子を見ててくれないか。私は薬をとってくる」
「あ……んっ、必要ないで、す」
「公子さん、無理はだめですよ。さあ、少しこっちで座っていましょう」
(誰のせいだと思ってんのよ!)
(僕のせいなんですけどね)


■僕はうそつき(ディオ)

「公子、アンタってばまさかディオの気持ちに気づいてなかったの?」
「は?」
「いまどきあんな分かりやすいツンデレ、マンガの中くらいしか見られないよ?」
「ツンデレって……」
「だってそうでもなきゃさっき図書室で言われたことに合点がいかないでしょーが!」
「ま、さか。だって、アイツ、私には特にものの言い方がひどいし」
「元が口悪いけど、好きな子には照れ隠しで更に悪くなるってパターンでしょ。言っとくけどアンタ以外への人への当たりも結構キツいよ?」
「でも、あのディオが人を好きになるとか、想像できなくない!?」
「だったら結局今夜の食事はどうするの。マトモな返事をしてないとはいえ、ディオの中ではアンタと出かけることになってるんでしょ?下心がないって確信があるなら奢られてきなさいよ」
「………………やっぱり断ってくる。もうマトモに顔見れそうにないもん!」
「そんな下らん理由で約束を反故にする気か」
「げっ、ディオ!」
「げ、とはなんだ。大体この僕が君のために時間を作ったというのに……」
「あー、ディオくん。横から第三者の単なる友人が口を挟むのを許して欲しいんだけど、その言い方がイヤだと言う話を今正にしてたの、聞こえてなかったかな?」
「……」
「ま、私はここで退散しますから。せめて二人になったら素直になったらどうかな?じゃね」
「……公子」
「なに」
「君のワンピース姿が見たいからドレスコードのある店を選んだ。準備は抜かりなくしておいてくれ」
「ええ!ハードル高っ!」


■定番アイテムの行方*(承太郎)

登山授業前日の薬局内。
(この辺りの商品の違いってなぁなんなんだよ。とりあえずこの数字が薄さの単位だってこたぁわかる。薄い方が気持ちいいってこともなんとなく想像つく。で、こいつらの違いはじゃあ一体なんなんだ?値段も似たような感じだし、こっちのイボがついてるのとかのほうが女はいいのか?いや主人は俺の願望もあるがまあ処女だろう。それでいきなりこんな突起物ついたもんブチ込まれるとか痛ぇだろうし何よりひくだろ。大体俺のモノじゃなくてこういう付属物みてーなもんで気持ちよくなってるような気がして俺はこういうの好きじゃあねぇんだよな。イヤ、今はそんな感想を思ってる場合じゃねぇんだよ。結局どっち買やいいんだっつーはな……しで………………)
「……」
「……」
「……」
(何で本人がいるんだよ)
(シャンプー……)
「あーなたーのまーちのー、大森ー、やっきょーーーく」


■四十年目の不器用(六太郎)

「以前言っていたプレゼントだ。受け取って欲しい」
「あ、ありがとうございます。開けてもいいですか?」
「もちろん」
「……わっ。す、すごい。なんか、ちゃんとしたペンっていうか……すみません語彙力なくて」
「いや、ペン一本に感想を求めるつもりはない。が、日常的に使ってくれると嬉しい」
「はい。そりゃあもう……うわ、なめらか!すごい書きやすい!」
「気に入ってくれたようでよかった」
「本当に、ありがとうございます。これは私の方からも何か贈り物をしないといけませんね」
「いや、気を使う必要はない。こちらがやりたくてやったことだ」
「しかし……」
「まあ何かわがままを言っていいというのならば君の時間をいただきたい」
「その程度でしたらお安い御用です」
「君を連れ出したいところがいくつかあるからな。さて、どのくらいの時間が必要かはわからないが私は何日、と名言はしていないからな」
「え」
「お安い御用のようだからまあ数日は硬いと考えても君とやりたいことが多すぎるからこっちとしては数日だと少ない……」
「え?」


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