小説 | ナノ

※トリップ主人公

「先生、スージー。公子はもう旅立ってしまいました」
「……そう。間に合わなかったのは心残りだけど、彼女が無事に自分の世界へ帰れたのならばそれでいいわ」
 リサリサが少し寂しそうに笑うが、隣のスージーは目に浮かべた涙をこらえ切れずにこぼしてしまった。
「さよならも言えないなんて……そんなのやっぱりつらいよぉ」
「泣かないで、スージーQ。それにしても……本当に見送りにこなかったのね」
「……そうですね」
 公子が読んでいた漫画本の世界にやってきたのはほんの数ヶ月前。漫画の中に入ったのか、世界が漫画になってしまったのか、その辺りの詳しい原理はよくわかっていない。が、全シリーズを本棚に網羅する公子は、これが何らかのスタンド能力に起因しているということを簡単に突き止めた。
 そうなると話は早い。元の世界に戻る方法もわかっているのだから、折角なのでこちらの世界を自分好みの結末に書き換えてしまおうと共闘を申し出たのだ。一般人の自分に波紋が習得できるかは自信がなかったが、才能はまあ“なくはない”程度にはあったようだ。
 どちらかと言うとスタンドで背後から殴りつけるという完璧なステルス戦法のほうが役にはたったのだが。
 結果としてシーザーとロギンズを生還させたがジョセフの腕だけはままならず。それでも精一杯戦った結果に悔いはなく、さすがに家族が心配しているだろうと元の世界へ帰る旨を皆に伝えた。
 ただ世界を渡るほどのスタンドの能力発動には時間や場所も重要なファクターとなる。リサリサとスージーはその日島外でどうしても外せない予定があったため見送りには現地に駆けつけるという話になった。しかし向かう途中、事故に巻き込まれ負傷こそなかったものの結局公子を見送ることは出来なかったのだ。
「さあ、戻りましょう。帰ったらジョジョにも渇をいれてあげなくては」
「先生、渇とは……」
「修行です!」
(ジョジョ……すまないがフォローは出来ん。修行は頑張って耐え抜いてくれ)

 すべては手はずどおりに進んだ。公子をスタンドが発動する場所に連れて行かないこと、リサリサ達には公子が元の世界へ帰ったと思わせること、そのために事故をジョセフが引き起こして足止めをすること。
 唯一の誤算はジョセフへの修行の追加だったが、そこは文句をかなり言いながらも最終日まで耐え抜いた。
 追加修行を終えたその足でジョセフが向かったのは、公子を監禁している秘密の場所であった。ここを知るのはシーザーとジョセフの二人と、今後この中で生活していくのであろう公子だけだ。
「公子ちゃーんっ」
 底抜けに明るい声と顔で、楽しげに名前を呼ぶ。だが公子はそれに恐怖を覚えていた。
「ジョセフ……早く、離して。もうすぐ帰るのに必要な“時”が終わってしまう……!」
「その方が俺たちとしても好都合なのよね〜ん。元の世界に帰りたい、なんて寝言、二度と聞きたくないし」
 荷物を適当な台の上に置いて、カバンから何かを漁る。ここに来る途中、前々から注文していた品を受け取ってきたのだ。それを早速取り出し、公子に見せる。
「これなーんだ」
「……普通に分からない」
「だよな。まあ、俺が全部セッティングするから。俺も使うの初めてだけど」
 購入した金属性の道具に、暖めた粘性のある液体をかける。ぬらぬらと光るソレを持って公子のほうに近づくと、公子は思わず身構えた。身構えはしたが逃げることはない。いや、厳密に言えば大きな椅子に縛り付けられているため逃げることが出来ない。
「公子ちゃん。俺とシーザーちゃんで決めた約束覚えてる?公子ちゃんが家族が恋しいんなら俺たちが“作ってあげる”こと。公子ちゃんの体に負担をかけないようにするため、排卵日前後以外はセックスしないってこと。でもさー、俺だってヤリたい盛りなわけじゃん?さすがに何日もおあずけってのはやっぱ厳しーわけよ」
 器具を持っていないほうの手で、公子の椅子付近のスイッチを操作する。すると足が乗せられている部分が細かく分断し、両足をあられもなく広げるような形になる。
 公子の下半身にジョセフが何をしようとしているのか、見えはしないが予想は出来る。腹部を境にカーテンで仕切られており、そこに映る影は公子の秘部に先ほど見せた金属製の何かを入れようとしているのだろう。
 公子はスカートを身に着けててはいたが、丈の短さから足を広げてしまえばそれは何の意味も成さない。さらにその下にあるべき下着は身に着けていなかった。
「膣鏡、っていうらしーぜ。これ」
 それは本来、名前のとおり女性の膣を拡大鏡で見やすくするためのもので、産婦人科医が使用するべき道具である。だが公子が縛られている椅子も、中に入れられた鏡も、本来の用途とは大きく外れジョセフの邪ないたずらに利用されていた。
「すっげ……公子ちゃんのナカ、丸見えだぜ。今自分がどんな格好してるか、確認する?」
 下半身側を見えないように仕切っていたカーテンがサッと引かれ、両足を広げて膝を立てているという格好を目の当たりにした。公子は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にし、逸らす。
「公子ちゃん、本当は俺は毎日でもヤってヤってヤリまくったほうが妊娠しやすいと思うんだよね。でもまあシーザーちゃんがそれだとダメっつーから仕方なく我慢してるんだけどさ。でもまあ、たまにはこう、趣向を変えるのも悪くねぇな」
 鏡で拡大された公子の膣内を見ながら、ジョセフは自らのモノを擦りはじめた。それを更に公子が目を丸くして見つめ、その視線を感じるとジョセフは興奮するのだろうか、更に大きく膨らませる。
「すっげぇひくついてる……挿れてぇ」
 抵抗できない女の一番恥ずかしいところを見つめながら自慰に耽り、更に精液を膣鏡のはまったそこにかけるという最低のプレイだった。

 排卵日が近くなると、毎日昼夜を問わず求められる。二人の都合が合ってしまい、同時に相手をしなくてはならない日もときたま訪れ、その度に擦り切れるのではないかと思うほどに行為をしていた。
 それは初夜のときもそうだった。この不思議な椅子のある空間に初めて連れてこられた日、帰ってしまう前に最後に見せたいものがあるとこの場所におびき出されたのだ。
 何を見せたいのかと問う公子に、逆に二人が質問をする。
「俺たちの前から本当に消えちまうつもりか?」
「……家族が心配してるだろうし」
 その言葉への返答が、拘束と監禁だった。
「公子、家族が恋しいなら俺たちが作ってやるよ。だから……離れるなんて言わないでくれ。君に助けられた命を、君がいない世界で消費していくだけなんて耐えられそうにない」
「そうそ。まあ家族を作るのはどっちかっつーと公子の仕事になっちまうけどな。そのための手助けはバッチリ任せなさいってこーと」
 左右の耳を舌が、そして時に愛の囁きと卑猥な言葉が侵していく。暴力的なのだが愛しているという矛盾に、公子は最後の手段をとることが出来なかった。最後の手段とはもちろん、スタンドで彼らを殺すこと。
 公子のスタンドはパワーが強すぎるため、例え鍛え上げられた波紋戦士といえど致命傷を与えてしまう。それでは何のために彼らを助けたのか分からないし、何よりこの強引な求愛を既に受け入れつつある自分がいる。
「公子、君の純潔を俺にくれ」
「俺ので妊娠しろよ?」
「ふ、二人と……やめ……」
 耳も、乳房も、臀部も、左右に分かれているものは左右の男がそれぞれを指と舌で愛撫する。だが一つしかない最も重要なそこに先に手をつけたのはシーザーだった。
「ずりぃ!」
「おい、ここに来る前に決めただろうが」
「指で慣らす分には無効だろーが!」
 ジョセフとシーザーの太い指が交互に公子の奥を突く。一本が引き抜かれたと思ったらもう一本が進入してくる。絶え間ない攻めは数十分にもおよび、初めは抵抗しか感じなかった公子が小さく声を漏らした。
「あ……っ」
「そろそろだな。まずは俺が入れるぜ」
 十分にほぐされはしたがまだ男のものを受け入れたことのないそれは、今から起こることの不安と緊張で硬く閉じてしまう。
「大丈夫。君は気持ちよくなるだけだし、俺は君の中に愛を注ぎ込むだけだから」
「愛だってよー。自分の精子を愛って言うヤツはお前くらいなもんだろうな」
「黙ってろ。公子、アイツが嫉妬でやかましいから、君のほうでちょっとだけ相手してやってくれないか?口が空いているだろう?」
 言われるまでもなく公子の眼前にそそり立ったモノを用意したジョセフが、キスさせるように優しく唇に触れさせた。
「口の中には出さないから安心しな。今日出すのはぜーんぶ下の方って決めてっから」
 上下の口が、同時にふさがっていく。シーザーが大きく動くと苦痛からか悲鳴のような声があがり、動きを止めさせる。
「痛かったか?………………そ、そうだよな。血が、出るようなことだもんな。痛いよな」
 痛がっているわりには愛液がペニスを濡らしているじゃないかと思い下を見ると、それは処女を失った赤い印だった。
「動くと痛いっていうなら、まずはこのまま……」
 全てを差し込まず、入りきらない部分を懸命に手で擦る。正直手が当たってこれはこれで痛いのだが、何かを訴えるための口はジョセフで埋められている。
「公子、出すよ。……っあ、出る」
 自分の愛液でもない、血でもない、他人の体液が体の中に染み渡っていく感覚が、確かに下腹部と口の中にあった。
「っあー、こっちに出すつもりじゃなかったのに……まあいいや。俺はスタミナはあるからよー。二発目もスグだぜ?ほら、見てみ。もうこんななっちまってる」
「……いつまで、こんなことするつもり?」
「妊娠するまで。いや……しても、だな」


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