小説 | ナノ

 一行は頼もしい(?)助っ人、イギーを加え砂漠を横断中、すさまじい砂嵐と出会った。
「これは……まずいですね。急いでテントをたてましょう」
「えー、大丈夫じゃねぇの?てか車で走りぬけたほうが安全そうだが……」
「砂嵐をなめてはいけない。この分だと大分長い間足止めを食うぞ。その間ずっとこの車に六人と一匹では休息もままならない」
 現地民のアヴドゥルの助言に従い、急いで野宿の準備を始めた。物資は大量に確保した直後なのでテントに缶詰状態になってもしばらくは大丈夫だ。どちらかというと水や食料よりも、密室空間で長時間他人と過ごさねばならないということの方が問題かもしれない。
 財団から支給された必要以上にかわいらしいテントを組み立てると、顔を地味に攻撃してくる砂嵐から逃げるべく中へもぐりこんだ。中も中でかわいらしいデザインで、床には色とりどりの模様があった。子供が喜びそうな色彩だ。
「気晴らしになるようなものでもあればいいのだが……」
「トランプとかねーの?」
「ねーな」
「うーん、ゲーム……ゲーム……なぁ」
 ポルナレフが目をぱっちりと開いて皆に声をかけると、全員がうんざりしたような顔をする。
「いいこと思いついた!」
「ポルナレフの言ういいことがいいことだったためしが一度としてない。却下だ」
「なーんだよー、のれよ。ちょっとくらい!」
「ヒマだし、話すだけなら話させりゃいいだろ」
「おう。この地面の模様さ、アレに似てねぇか?」
「あれぇ?」
「アレだよ、あのー、ほら。ツイスターゲーム!」
 ツイスターゲームとは、四色の円模様がいくつかあるシートとルーレットと己の肉体を使って行うゲームだ。ルーレットが示した色の円に、両手足のどれかを触れさせ、バランスを崩したものが負けとなる。
「ああ。あの女の下着を覗き込む口実のゲームか」
「ジョースターさん!?」
「だってそういう目的でしか使わないもん」
「もん、じゃねぇよじじぃ!」
 確かにジョセフの言うとおり、スカートだと確実にその中身が見えるわけだし、男女が同時にプレイすれば体の接触も多々ある。
「わしはパス。正直関節痛い。鉛筆があるからこれをダイス代わりにしてわしが振ってやろう。若い者はほれ、位置につけ」
「……まぁ、暇をもてあましてるしな」
「ポルナレフにしちゃまともな提案だったな」
「おい、花京院も承太郎も何を言い出すんだ」
「よーし。最後まで残ってた人は皆に命令できるってことでどうだ!」
「アヴドゥルは別にやらなくていいぜ。さすがに四人でやるにはちと狭い」
「だ、誰もやらんとは言ってないだろう。ただ、ジョースターさんも言っていたが、公子はこのスカートでは出来ないだろう!」
「うん私もやらないよ?」
「えっ、公子!?」
「そもそもこの模様、距離が開きすぎてるから私の身長だと遊べそうにないし」
「……」
「さぁ、やりなよ。野郎四人で組んず解れつしなよ」
「ほれ、一番は言いだしっぺのポルナレフ。緑」
「……やりゃいいんだろ。ああやってやるさ!そんで一番になって色々公子に命令しちゃうもんねー!!」
「何で不参加の私が罰ゲームしなきゃいけないの」
「……だよね」
「次、年齢順でむっつりアヴドゥル。黄」
「一言余計です!」
「承太郎、赤」
(……止めたくなってきた)
「花京院、黄」
(確かに、余計な期待はした。これはその罰だと受け止めよう」



「というわけで、優勝は承太郎ー。さ、何でも命令しなさい」
「敗者は俺の腰をマッサージすること」
「「「はーい」」」


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