小説 | ナノ

「公子、着替えたのか?」
「うん。スカート動きにくいから」
「本当は?」
「ポルナレフが捲るから」
「だってこーんな短くてぴらぴらっとしてさ。捲るよな、そりゃ」
「……」
「……」
「おいティーンエイジャー共!テメェら宿の男部屋で散々公子をネタに下関連の話しておいて裏切る気か!」
「ポルナレフ、寝言は寝て言え」
「妄言も大概にしておけよ」
「てっ、てっ……テメェらぁぁぁああああ!」
「さあ公子、君は私とジョースターさんの車に乗りなさい。あちらは騒がしい」
「ありがとうアヴドゥル」

 なんて会話があったのが今朝方。今夜の宿の部屋割りが車のメンバー分けと同じだったものだから(公子は一人部屋だが)ポルナレフは荒れに荒れた。
「足が見えねぇのはつらいと思ったが、パンツスタイルだと尻の形がくっきりと分かってよかった」
「承太郎!お前は朝言ったことをもう忘れたのか!?」
「ポルナレフ、僕たちは君のように安易に手出しをして警戒されないように努めてきたんだ。僕らの努力を無碍にする真似はよしてほしいな」
「そうだぜ。公子にバレねぇようにエロいことすんのが楽しいんじゃねぇか」
「そしてその日のことをこうやって男だけで猥談にするのがいいんだよ」
「お前らから犯罪者のにおいがする」
「ポルナレフの場合直接的過ぎるんだよ。我々日本人は奥ゆかしさを美徳とするからな」
「どの口が奥ゆかしいなんてぬかしやがる」

<ポルナレフの場合>
「公子、何飲んでんだ?一口ちょーだいっ」
「コーラだよ。はい」
「んー、甘ったるいのは苦手だから口の中の風味だけいただこうかな」
「顔近い」
「近づかなきゃ公子とキスできねぇからな」
「ポルナレーフ!」
「チッ、アヴドゥル戻りが早ぇぜ……」

「こういうことをするから公子が君と物理的に距離をとる」
「あんなカワイイ子に手ぇ出さねぇのは失礼だろうが!誰もいってねぇから遠慮なく俺がいってるだけよ!」
「まぁ待ちな。俺たちのやり方を見て少しは参考にしな」

<承太郎の場合>
「公子、今サングラスをかけた背の小さい男を見なかったか?スタンド使いだ」
「いや、見てないよ。身長どのくらい?承太郎からしたら大体皆小さいと思うんだけど」
「お前くらいだ。赤いジャケットを羽織っている。おそらくなんだが、今ヤツのスタンド攻撃を受けている。手を繋いでいてくれないか?」
「手?うん……それより本体を探さなくていいの?」
「じじぃに任せている」
「そっか。じゃあ……はい」
「ん」
「それ、何の攻撃なの?」
「知らなくていい」

「とまあこんな具合だな。あくまでもしょうがないというシチュエーションをこっちから用意してやるのがポイントだ」
「お前そんだけやって手ぇ繋ぐだけとか……プラトニックぅ!」
「ちょっと斬新な方法でヤってみたくてな」
「……何を?」
「公子の手にずっと触っていた手でヤったら気持いいと思って」
「俺お前のそういう思考が怖いよ!」
「花京院の方が怖いぜ。なぁ?」

<花京院の場合>
「何か……臭う?」
「え?窓開ける?」
「いや、そういう悪臭っていうんじゃなくて……血の臭いが……」
「ま、窓開けよう!」
「まって、誰かケガしてるなら手当てしないと。承太郎、君かい?」
「違うぜ」
「私も怪我してないから平気。換気しようよ」
「しかし血の出所を探り当てないと。この車に怪我を負った敵が乗り込んでいたら大変だ。ハイエロファントに探らせようか」
「平気だよ、そんな手負いの相手ほっとこ?それより花京院、運転に集中してよ。ていうか花京院て何で車運転出来るの?私たちまだ免許取れる年齢じゃないよね?」
「公子、やたらと饒舌だけどどうかしたかい?」
「べ、別に!」
「怪しいなぁ。もしかして君が怪我をした敵かな?シンガポールでの前例もあるし、悪いが調べさせてもらう」
「や!ハイエロちゃん!縛らないでぇ……」
「うん、やっぱり君から血のにおいがするな。どこを怪我したのかな?」
「ち、ちが……怪我じゃないの……」
「怪我でもないのに出血するの?何で?説明して」
「えと……あのね……今日私、その………………だから」
「聞こえないよ」
「だ、からね。えと、今日、二日目だから」
「何の二日目なの?」
「えっ!?」
(花京院……ねちっこいぜ……)
「フツカメって何のこと?」
「うっ……」
「ますます怪しいなぁ。ハイエロファント、とりあえず怪我の場所を探り当てようか。足かな?」
「まっ、まって!あの、これただの生理だから!ケガじゃないの!」
「せい……ああ。なるほどね。失礼した」
「窓あけるっ!」
「大丈夫だよ、そんなにおわない。砂埃が入るからこのままにしておいてくれ。」
「花京院、さすがにそろそろ前見てくれ、前。俺も怖くなってきた」

「怖いだろ」
「わき見運転の話かよ!」
「しかしこれで分かっただろ?君は真正面から攻め過ぎなんだよ。まあ僕としてはポルナレフにセクハラされてる、と助けを求めに泣きついてくれるわけだからまあ構わないけどね」
「いや、泣きつくならアヴドゥルだろ」
「え?」
「だからアヴドゥルだろ。今日も寝るまでは同じ部屋で過ごしてんじゃねぇのかな。前公子から聞いたぜ。よくテレビ見て過ごしてるって」
「……承太郎、ポルナレフ、今日は先に寝ていてくれ」
 部屋着に一枚羽織ってから、花京院は部屋を出た。
「どうなると思う?」
「アイツ、ジョースターさんもいるってこと失念してんじゃねぇのかな」


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