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魔族は生まれつき、唄を知っている。
その唄は一人一人持っており、一人一人違う唄。
それは玲命の誓詞(アグラント)と呼ばれ、魔族にとって命の次に大切な唄。唄を奪われる事は、命を握られる事に等しい。
そして玲命の誓詞は非常に大切な役割を持つ。
魔術を覚える際、精霊に契約を交わす時
人と人が大切な盟約を交わす時
そして、大切な人と運命を約束する時
彼らは謳う、唄という旋律に乗せて契約を、盟約を、約束を誓うのだ。だから彼らにとって玲命の誓詞はとても大切なもの。
彼らしか謳う事が出来ないこの玲命の誓詞。
故に、彼らを《詠誓の民》とも呼ぶ。
えいせい
第2幕 詠誓の民
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