幕間2
「そういえば、私がよくロゼッタだってすぐに分かりましたね。銀髪は珍しいけど……」
二人はロゼッタの姿を見た時、すぐに彼女がロゼッタなのだと分かっていた。銀髪は確かにこの世界では珍しいが、探せば結構いるものだ。村にもロゼッタ以外に銀髪は一人いた。
「確かに陛下からは、ロゼッタ様は銀髪だという事しか聞きませんでした」
「うむ」
「ですが、私は同僚からロゼッタ様の写真を借りているので……」
「え?」
「自分もそれ知らない」
アルブレヒトすらその写真は知らなかったらしい。
どうやらシリルの話によると、数ヶ月に一度実はロゼッタの父親、つまり魔王陛下の部下が彼女の様子を調査しに来ていたらしい。それで父親は彼女が元気だと知る事が出来たのだと言う。そんな中で撮られた一枚の写真を同僚から彼は借りたそうだ。
「どんな写真なんですか?」
「これです」
シリルから手渡された写真を受け取り、ロゼッタは見た。それをアルブレヒトも後ろから覗き込む。
直後、ロゼッタは固まった。
「シリルさん!」
まさに写真は盗撮写真であった。窓の外から撮られており、まさに室内ではロゼッタが着替えをしている所を収めたものだ。
「すみません、うちの変態軍師が……」
それを黙認しているシリルにも充分問題があるのでは、とアルブレヒトは思ったが、あえて言葉に出さない事にした。
その後写真は、勿論ロゼッタの手で葬られた。
(15/15)
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