幼少期編


喧嘩を野次るだけのナマエだったが、気が付けば中心人物へとなっていた。


「おっかしいな。なんでこうなっちゃんたんだろうか、いつもと変わらずに普通に会話していただけなのになんで怒るのかなぁ。カルシウム足りていないんじゃないのかなぁ?もう少し牛乳飲みなよ牛乳をさ」


怒られる意味が心底わかりませんといった顔をしているが、ナマエは軽く息を吐くと腰につけていた木刀を抜くと今にも襲い掛かってくる相手へと構えた。
そっちから喧嘩を売ったんだからね、私じゃないから、今金欠だからそんな余裕なんてこれっぽっちもなかったんだからねと呟くと、金はこっちが出してやるから逃げんじゃねぇ!という怒声とともに襲い掛かってきた。
あぶない!とまだ幼い声と周りの悲鳴が響くと、やはり暴力は見たくないのか周りの人は目を逸らしていた。

一瞬の騒音の後静まった後に聞こえてきたのは何人もが倒れる音がして、目を開けて見て見れば、その場に立っていたのは予想とは別でナマエの姿だけだった。
一人立っているナマエはまるで余裕ですとでも言うような飄々とした態度で、一番偉い男のある部分を踏みつけていた。

周りの女性はそっと目を逸らし、男性一同は思わず引け腰になっていることからナマエが男のどこを踏みつけている事は言わずも……。
気絶しているのにもかかわらず未だにグリグリと踏み潰しながら、もう終わりですか?なんて言ってからふと感じた視線に目を向けると忘れていたが、最初に絡まれていた金髪とドレッドの少年二人と目があったが、金髪の少年と目があった瞬間軽くビクッと肩に揺らすと横に居たドレッドの服の一部分を握ると、ドレッド少年もハッとしてからナマエの足元を指差して口を開いた。


「あ、あのさ。もう気絶しているし、その辺でいいんじゃ」


先ほどまで暴力を振るわれていたはずなのに口から出てきたのはその相手を擁護してしまう言葉だった。
可哀相とつい思うはずもない言葉が頭を過ぎってしまったのた、ドレッド少年も男だったからかもしれない。

そんな彼の心の中は分かるはずもないが、ナマエはそうだねとのんびりとした口調で言いながら足を退けると男の懐を探りながら、そういえば此処ってどこなのかなぁ?なんていうか人生に迷っているっていうか困っちゃっているんだと訪ねながら、あったあったと言いながら財布を奪ってから男を適当に捨てると、聞いているともう一度少年たちに尋ねると、ドン引きされた顔でうなずかれたのは仕方がない事だろう。

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