幼少期編


とりあえずここはどんな場所かと再度聞くために少年達に近づこうと足を踏み出すと、ドレッドが金髪を守るかのように立ち、ナマエを睨み付けた。


「……」


先程までの事も相まってか、警戒する彼にナマエはちょっとぉ、なんだか私が悪者みたいになっちゃっているんですけどぉ、やる気削がれるって言うか、もうげんなりするわぁ。マジげんなりと呟いていた。
すると、ドレッドの後ろから金髪が覗き込むように顔を出して口を開いた。


「あ、あああの!」
「ん?」
「あの、その、助けてくれてありがとうございます」
「え!あ、うん。別にどうってことないよ。え、お礼?いいっていいって、そんな気を使わなくて全然かまわないって。ここがどこか教えてくれるだけで全然かまわないって」


そんなナマエのセリフにドレッドはねだってるじゃねぇかと思ったのは当然だ。


その後、周りの人の視線も気になるのか、場所を移すことになり、現在とある瓦礫の一部に腰を下ろして、先ほど頂いた金品からリンゴを買って食べながら(二人は一瞬微妙な顔をしたが、ナマエがあまりにもにこやかに進めるので、どうやって金品を取ったかは見なかったことにして食べながら)話し込んでいた。
ちなみに自己紹介は済ませた。


「えっと、ごめんごめん。よくわからなかったよもう一回言ってくれる?あ、別に私が年だからとかじゃなくてね、普通に分からなかっただけだから。ほら、私よそ者だから、ね?ね?」


だからもう一回言ってくれる?と言うと、カシムがここはバルバット国のスラム街だと教えてくれた。


「へー。そー。ふーん。ここはバルバルン国のスライム街だっけ?」
「バルバットだって言ってるだろうが。あと、スライムってなんだよ、スラム街だ」
「そう、それそれ。バルバットね(やべぇわ。マジか、マジですか?源外さんよ、マジモンですか!?仕上がっちゃった?これ完全にゲーム仕上がっちゃった系?夢じゃないの?いや、夢か、あれ仕組みってどうなっていたっけ。えっと、思い出せ私。目が覚めるには……えっと、何か『お前が暴れたせいで、一週間はかえれないから』思い出したぁぁぁ!帰れないよ私、あぁあの時の自分を殴りたい。いや、痛いから止めるに留めよう。無理だけどなハハハ……)」


特に何も考えてませんという雰囲気で空を仰いで見つめているナマエだが、内心は動揺していた。

もう、マジやべぇ。


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