バルバッド編



その日の夜。
とりあえず一緒にスラムに居座ることになったナマエを部屋に案内し、アラジン達には自分が小さいころにあった人なんだと説明してから別れ、部屋で一人明日の事を考えていた。


「会いたいと思っていたナマエさんに会えたことで、少し気持ちに余裕が出来たのかな?夕方とは気持ちが違う気がする」


ふうと息を吐くと、やはりちゃんと会話をしてナマエから何かアドバイスでも何でもいいから話したいと思ったアリババは横になっていた寝床から立ち上がると、用意したナマエの部屋へと足を進めた。


「ナマエさん。ちょっといいかなって、あれ?」


覗いた部屋には誰もいなく、静かにアリババの声が消えて行った?


「え?あれ?ナマエさん居ないの?」
「アリババ君」
「あ、シンドバッドさん」


部屋をキョロキョロ見渡していたアリババに声を掛けたのは、シンドバッドで、どうしてここにと疑問を持ちかける前に、シンドバッドからもしかしてナマエを探しているのかい?と訪ねられてはいと頷いていた。
ちなみに、これまでの一連からナマエの名前がミイではないことに気が付き、なんで偽名を名乗ったのかと聞けば何だか怪しかったからと即答されてそうかとしか言えずに会話は終了している。


「彼女なら少し前に出て行ったよ」
「え!?出て?何故ですか!!」
「あぁ、すまない。出て行ったというより、出かけたという方が適切だったね」


出かけただけかと安堵の息を吐くアリババに、シンドバッドは言葉を続けた。


「彼女の事は私はよく知りはしないからね、少しだけ気にかけていたのだが、何か気合を入れるかのようにそろそろ行くかなと呟いて街の方へと走って行ったのが気になってね。申し訳ないと思いながらマスルールに後をつけさせてもらったんだ」


内緒でこんなことをして悪かったと言うシンドバッドに、アリババはナマエさんを知らない人から見たらナマエさんは不思議で、常識も少し変わっている人ですから警戒するのは仕方がないのかもしれないと思い大丈夫ですと言い返した。
そして、スラム街に辿り着いたその日の夜に街のどこかへと掛けて行ったというナマエの行動にデジャブを感じていた。


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