バルバッド編



何故だかと言っても、理由ははっきりと分かりきっている事だけれども、気疲れしたシンドバッド一行が戻ってきて見えた光景に三人は瞬時に傍観へと身を置くことを決めたのは、先ほどの事があったからだろう。
本来のシンドバッドならば、話の中心へと入っていくのだが、少し様子見も悪くはないと自身に言い聞かせてアリババとナマエの対話に耳を傾けてみた。


「どうしてこんな事に」
「マジ謎だね」
「いや、ナマエさんが原因だよね」
「まさかこんな事になるとは」
「どうして普通に出会えないかな」
「マジ謎だね」
「ナマエさんの後ろで座っているのって、見た目から、その、盗賊ですよね」
「まさかこんな事になるとは」
「何で姉御って慕われてんの?」
「マジ謎だね」
「ただでさえ今バルバットは大変なのに、盗賊が群で来るとか言えば、ナマエさんがいるしさ」
「まさかこんな事になるとは」
「もう!!ナマエさんの事だろ!!」
「マジ謎だね」
「ちゃんと説明してくれよ!」
「まさかこんな事になるとは」
「………ナマエさん?」
「マジ謎だね」
「人の話聞いてない!!」
「まさかこんな事になるとは」
「もういいから、ソレ!!ちょっとナマエさんちゃんと聞いてよ」
「マジ謎だ、ん?あ、ごめんね」


いろんなことから、だぁぁっと頭を掻きむしって怒るアリババにまぁまぁ落ち着いておくれよアリババ君と横にいたアラジンが慰めている。

今一度アリババをジーと見つめていたナマエは首を傾げた。
そんなナマエの姿に気づいたアリババはどうしたんですか?と訪ねると、いやね、ちょっとした事なんだけどさぁ、と言葉を濁して先に進まない。
言ってくれないとナマエさんの考えている事なんて一生分からないよと、微妙にトゲがあるような言葉で先を促すアリババの言葉にナマエは、それじゃずっと気になってたのだけどねと言葉を続けた。


「君誰だっけ?」
「………はぁ!?え、ちょっ!?え、ナマエさん!?」


えええぇぇぇというアリババの叫びが木霊した。


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