幼少期編


「で、ナマエ。何でこーなるんだよ」
「……」
「なんだよ。罰ゲームなんだから、相手の嫌なことをするのが当たり前でしょ?それに文句言われても困るんだけど」

そこには、罰ゲームを受けているが、納得していないカシムに呆然としているアリババ。そんな二人を見て地面に崩れるように伏せて爆笑しながら親指を立てているナマエ。

「ぬぅぅぅ」
「………」
「眉間の皺がヤバいよ。そんな怖い顔しなくて大丈夫だよ。笑いなよほらメチャクチャ似合ってるよキャッ」
「キャッじゃねぇよナマエ。似合ってたまるか!!」
「…………」
「なんだよ面倒臭いなぁ。ちょっとはアリババ見てみなさい。文句の一つも言わずに今の自分を受け入れているというのに、お前ときたら文句しか言わないんだから。受け入れる寛大な心がないと嫌われちゃうゾ」
「誰にだよっ!それに、アリババは受け入れているんじゃなくて、放心しているだけだろうが!後、気持ち悪いからツンってほっぺたをつつくんじゃねぇよ!!」
「……………(なんでこんな恰好を)」
「やぁだぁぁ。ほっぺただって、ほっぺた。ギャップですかえ?今更自分はかわいいよ的な体を見せつけて人気を手に入れようとする作戦ですかえ?やぁだぁぁ、超姑息ぅぅ。この人超姑息なんですけどぉぉ。でも、そこがしびれるぅぅっぐぅ」
「……話を進めませんかナマエさん」
「ちょっとばかし調子に乗りましたので、足を踏まないで下さいカシムさん。痛いです。えっと、どこから話を戻しましょうか?えっと、えぇ〜何々?手加減されたかったの?だったら途中で言えばいいのに。何も言わずに「それ前回の話で、そこじゃねぇから!!」もうっユーモアが足りないんだから」
「で、どうして罰ゲームがコレ?」

そういって嫌々自分の姿とアリババの姿を指差すカシムに、なんだよ罰ゲームってそういう事するじゃんやれやれと言うナマエにふて腐れるカシムを見てピーンとくる。

「あ、もしかして自信がない?しょうがないなぁ。……おっ、何この子超かわいいんだけど!」
「誰が賛美が欲しいといった!声だけテンション上げてるくせにバカにした顔つきで騙されるか!!」

この流れでいささか状況は掴めているであろうが、今一度状況を確認すると、女装をしているカシムにアリババとやはりどこか楽しげなナマエがそこにいた。


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