幼少期編


確かに昨日の夜まで飄々としていたナマエの姿はどこにもなく今にも死にそうなオーラを放つナマエにアレは逆に変なものに絡まれそうだと想像がつくのは容易かった。

今日は放っておこうぜというカシムにアリババは困った顔をし、結局カシムが折れてしまった。
そうして今日もナマエとカシムとアリババでの適当な一日が始まる。


「で、何だよそのオーラ。こっちまで参るんだけど」


まったくナマエを年上の女性として扱ってないその言葉だが、カシムには精一杯の優しさかもしれない。
そんなカシムの言葉を聞いて、項垂れていた顔をカシムに向けるとテンション低めに口を開いた。


「別にさぁ、私は大人だからキレないけどさぁ、もうちょっとマシな態度ないの?完全に舐められちゃってる感が半端ないんだけどさぁ」


怒りはしないよ。だって、私大人だからと言いながらカシムの上へと倒れ込むとそのままナマエの体の下敷きにした。
どけと言うカシムに動く元気なんてこれっぽちもねぇよバカヤローと言うナマエにアリババはただオロオロしながらも楽しそうだなとどこか心の中で思って、自分も混ざりたいと思っていた。

そんなアリババの気持ちに気が付いたのか、こいこいと手を招いてアリババを呼ぶと、少し嬉しそうに近づいてきたアリババをまぁ座れよと自分の前に促すと何か用でもあったか?と自分が地面に俯けに寝ている事と、その下にカシムを下敷きにしていることも感じさせないくらい普通に会話をし始めたナマエにカシムが怒鳴り、アリババが困りながらうらやましがりナマエは気にしないというスパイラル。

何とかナマエの下から脱出したカシムは未だに寝そべったまま動かないナマエを見て何か言いたそうな顔をしていたが、結局何を言いたいのかはカシムの中に留まり知るすべはなかった。

最後は話がすすまないとアリババが今日仕事探しに行きたいと言うとナマエはそうか、頑張れよと返し、カシムがいや話の流れ読めよと目で訴えてくる。


「えー。マジかよ。つーか無言で見つめれられて空気読めとかそんな高等技術身に着けているとか思うなよ。あと、こっちは完全なる二日酔いなんだよバカヤロー」


そのナマエの最後の言葉にもしかして死にそうなのってただの二日酔いなの?と呆れた視線を二人から頂いたナマエは、うるせぇぞマダオ舐めてんじゃねぇと呟いた。

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